収入が同じ場合、後期高齢者よりも現役世代の方が健康保険料の負担は重い。この不公平の是正は世代間の公平性を確保するためにも必要なのだが、「社会保障・税一体改革大綱」は、負担をどう分かち合っていくかに関して、真正面から向き合っていない。

 前回に引き続き、今回も後期高齢者医療制度について検証する。最初に後期高齢者医療制度について述べた前回の議論を振り返ろう。

1. 一段と高齢化が進行するもと、現役世代が高齢者医療の費用を支えていける仕組みを再構築することが、高齢者医療制度改革の核心である。

2. 現役世代への依存を軽減するためには、高齢者にも負担能力に応じて保険料や窓口負担を求めることや、給付効率化などの改革が、たとえ不人気でも不可欠である。

3. 政府・与党は、高齢者の側が差別されているという認識を起点に、後期高齢者医療制度の廃止に向けた見直し法案を、今通常国会に提出する予定である。しかし、見直されるべきは、政府・与党の認識である。

 こうした議論を受け、今回は、実際の保険料負担と窓口負担の仕組みと現状、および、現在進められている議論とその問題点を整理しよう。

 わが国の国民医療費は、2009年度現在36兆円であり、健康保険料、公費、および、窓口負担の3つで構成される。それぞれ、17.5兆円、13.5兆円、5.0兆円である。このうち、家計の直接的な負担は、健康保険料と窓口負担の2つであり、年齢によって水準が異なる。

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