なりふり構わず−−。2月1日の相撲協会の人事異動で春場所の総責任者である担当部長に任命された貴乃花親方(39)が切符売りに大阪中を走り回っている。

 3月11日から大阪府立体育会館で始まる春場所は去年、大相撲界の根幹を揺るがした八百長問題で中止になったため、なんとしても成功に導きたいところ。貴乃花担当部長の出現は3年半ぶりに理事長に返り咲いた北の湖理事長の秘策人事と言っていい。
 「貴乃花親方にとっても望むところ。これまで審判部長などを歴任していますが、まだこれといった実績はあげていません。地方場所の担当部長はミニ理事長のようなもの。場所を成功させるためにありとあらゆる手を尽くさなければいけない。将来の理事長候補として、ここでしっかりポイントを稼ぐという思いでやっている。『やるからには15日間、オール満員御礼を目指したい』と就任直後の記者会見で語った言葉にも表れていました」(大相撲担当記者)

 失敗はできない。そのため、就任翌日の2月2日に大阪入りすると、入場料値引きなどの特典を設ける和装デーを発案したり、15日間、通しでマス券を購入した客には自ら自宅まで切符を届けに出向くなどのサービスを打ち出すなど、ユニークなアイデアを次々に捻り出している。
 「とにかく1枚でも多く切符を売りたいと必死なんですよ。前売り開始日の5日には、陣中見舞いに東京からやってきた景子夫人も電話口に出てフジテレビアナ時代の美しい声で対応していましたよ」(協会関係者)

 ただ、いまどき少々値引きしたぐらいで和服の客がドッと押しかけるはずもなく、1マスを15日間通しで買えば60万円もする。いくら平成の大横綱が自ら足を運んでチケットを届けるといっても、したたかな大阪人の財布のヒモが緩むとはとても思えない。「いかにも世情にうとい横綱商売」と周囲からは冷ややかな声も。
 9日には、さっそうと大阪市役所に乗り込み、橋下徹市長に初日前日の3月10日に行われる土俵祭りの出席を重ねて依頼したが、「スケジュールを見てみないとわかりませんので」と体よくイナされてしまった。

 この貴乃花流アイデアの極めつけが吉本新喜劇への出演企画だ。
 「興行という点で相撲界も吉本も過去に暴力団との交際があったのは紛れもない事実。昨年の八百長問題の際も暴力団の関与が取り沙汰された。吉本も紳助が暴力団との交際を認め引退させた経緯がある。それが半年前です。まだ不祥事から完全に立ち直ったとは言えないだけに、劇場に出ていっても笑い者になるのがオチ」(社会部記者)

 いっそのこと、紳助も登場させれば大ウケする?