Original Entertainment Paradise 2011

今年で4回目の開催を迎える男性声優アーティストによる音楽の祭典『Original Entertainment Paradise 2011』“おれパラ”が今年も両国国技館にて行われた。ホストの岩田光央さん、小野大輔さん、鈴村健一さん、森久保祥太郎さんに加え、ゲストには“おれパラ”スタート時より森久保さんから熱いオファーが送られ続けていたというOLDCODEX、そして2年ぶりの参加となった平川大輔さんが出演。クリスマス当日の12月25日のこの日、昼・夜2回に渡って行われたうちの「昼の部」の模様をお伝えする。



Original Entertainment Paradise 2011

オープニングは『おれパラップ〜クリスマスソング』。森久保さん、小野さん、鈴村さん、岩田さんがラップで挨拶を行いながら順にステージに登場した。さらに平川さん、OLDCODEXも登場。OLDCODEXはメンバー全員この日ならではのサンタクロースの衣装で登場し、盛り上がりに華を添えた。

曲明けにはメンバーから改めて簡単な挨拶が行われ、小野さんは「ここはおれたちの家です。帰ってこれて嬉しいです」、鈴村さんは「今日この日を待ってました、みんなと気持ちはひとつです」と開催への喜びを表した。また「みんなよく来た!待ってたぞ!今日は最高の笑顔でみんなに帰ってもらいたいんで、俺ら全力で笑かすぜ!」と岩田さんからの意気込みがメッセージとして送られ、会場は大歓声で沸いた。

今年は「上昇傾向」の意味も込めた「常・照・継・光」それぞれの文字をメンバーが選び掲げる。オープニングの後はこれを示すアニメーションがモニターに映し出され、いよいよステージスタートとなった。



トップバッターとして登場したのは岩田光央さん。「さあ行くぞ、楽しめ!」との声で早速ライブが開始、アップテンポな『セルフ』からスタートとなった。間奏で岩田さんから「もっと、もっと!」と煽られ観客もテンションを上げつつ、休む間もなく次の曲へ。「まだまだ休ませないよ。オシリ振る準備しなさーい!」との岩田さんの声に観客からも歓喜の声があがり、会場全員で曲に合わせた振りが楽しめる『かわいいオシリ』へ。2曲続けてのアップナンバーに会場の盛り上がりは抜群となった。

MCへ突入すると、岩田さんの愛犬が写された今年のTシャツデザインの話や、この後に続く新曲の話に。震災後は表現者として存在意義に悩んだという岩田さん。そんな時に新曲の話が持ち上がったそうだ。「精一杯明るく楽しい曲を作ろう、そして自分が今感じたこと、思っていることを伝えようと考えた」とその経緯を話し、創作活動をすることで逆に前向きになれたとファンへ思いを打ち明けた。『トキドキ』は「一番身近な人に、ちゃんと愛してるってことを伝えなければいけない」との思いが余すところなく詰め込まれた曲。軽快ながらしっとり聞かせるこの曲では、込められた思いをしっかり受け止めた観客から惜しみない拍手が送られた。

対して「どクリスマスの中で真夏の歌を歌う!さあお前ら、水着の仕度はいいか!」とジョークを飛ばせるほど底抜けな明るさの『ウェイクアップ ベイベェ ウェイクアップ』を4曲目に披露。「とにかくみんなで騒ぎたくって」と言うだけあって、曲中には観客が担当するコール箇所がとにかくたくさんある。そのために、モニターにはカンペ、及びサビ前でのタイミングの難しい箇所にはカウントダウンまで用意され、みんなで盛り上がるための準備は万端だ。最初の歌詞から観客参加という代物に、ファンも声を張り上げ徹底的に盛り上がった一曲でステージが締められた。

岩田光央さん岩田光央さん岩田光央さん岩田光央さん岩田光央さん


続いては平川大輔さんが登場。11月に発表したセカンドミニアルバム「dice」から『共犯者』が1曲目にチョイスされ、切なさが滲む曲に会場中が聞き入った。曲が終わると「二年ぶりにオレパラのステージに戻ってきました」と平川さんから挨拶が行われ、観客からは「お帰り!」と大声援が返された。その歓声は緊張していると話す平川さんに笑顔をもたらしていた。

MCではもちろん今回のミニアルバムについての話になり、自らメールで知り合いに曲提供をオファーしたことや、作ってもらった一方で難しい曲ばかりだったと困り顔も見せていた。歌に戻り、続いては『プリズム』を披露。当初は別タイトルだったこの曲については「とてもキラキラした曲だと思っていた」と取材でも語っていたそうで、後に曲名が現在のものに変更され「心が通じていたと実感した」と嬉しそうにエピソードを語ってくれた。

最後は「今年は凄くいろいろなことがありまして、とても苦しい時がありました。でも前に進むということをやめちゃいけないなと、様々なことを経験しながら思いました」と一年を振り返りつつ、自分に元気と勇気と軽やかなステップを与えてくれそうな曲という『Clumsy Heaven』を披露。「一緒に盛り上がれたら」との本人の言葉どおり、アップテンポで爽快な曲に観客も歓声を高めて最後までステージは盛り上がりを見せた。

平川大輔さん平川大輔さん平川大輔さん
平川大輔さん平川大輔さん


3番手に登場したのは小野大輔さん。「考えるよりも感じて欲しいというステージ作り」にしたという今年は、新曲『DELIGHT』を皮切りに、ダンサーを引き連れて小野ワールドを展開する。その熱を敏感に感じ取ったのか、1曲目から観客も同じ振り付けで会場を盛り上げていた。この両手を上に押し出すようにして軽く振るという振り付けは、実は告げられた当初、本当にやるのかと小野さん自身も少々躊躇う様子を隠せなかったとのこと。しかし観客の様子から、「今日のステージでみんながひとつになれると実感した」と実に嬉しそうに話した。

また「いろいろなことがあった年だったと思うんですけれど、僕の思いはただ一つです。みんなにずっとずっと笑っていて欲しい」と話し始めると、その後はダンスメンバーを紹介、最中にはダンサーさんへ「“モス”を体で表現」というムチャ振りをパスするなど小野さんらしい時間に。その後ノリをそのままに『Ride On Funky Night』、さらに観客も一緒に踊れる人気ナンバー『熱烈ANSWER』と続いた。

小野大輔さん小野大輔さん小野大輔さん

最後は小野さんとダンサー全員もサイリウムを持って『だいすき』へ。会場全員でサイリウムを使った振りをするため、その場でサビ部分を練習した後、「最後、みんな声を振り絞って一緒に合わせていきましょう、笑いましょう!」との小野さんの声で曲がスタート。アップテンポの曲調に覚えたての振り付けでついていくのはなかなかの至難ながら、観客はサビ以外の細かい箇所でもダンサーさんらを見て合わせつつ、最後まで軽快に盛り上がる・・・と思いきや、ラストでなんとハプニング勃発!突然平川さんがステージに乱入しそのまま歌を乗っ取る荒業が繰り広げられた。

「大好き!」という曲の最後を飾るセリフと「平川大輔でした!」とシメの挨拶までをも横取りし、ダンサーを引き連れて退場と、まさにステージを乗っ取った形に。まさかの出来事に観客も騒然、驚きつつもそれを楽しむ歓声が再び会場を盛り立てる。小野さんにとっては最後をまるっとかっさらわれた最後となり、呆気に取られていたが、すぐに立ち直ると「小野大輔でした!」と勢いよく挨拶してステージは締めくくられた。

小野大輔さん小野大輔さん小野大輔さん小野大輔さん


予想外の出来事で終わった小野さんのステージに続いての登場となったOLDCODEXも、ライブペイントを加えた独自のステージを演出する。まずは音楽にのせ、身長と同等の高さのある四角いパネルに文字や模様を次々と描いていくアートパフォーマンスが行われ、描かれては上書きされていくその最後には“OLDCODEX”の文字が浮かんだ。

OLDCODEXOLDCODEX

パフォーマンスタイムが一度終わりを見せると音楽も止み、今度は暗がりのステージからTa_2(鈴木達央)さんの力強いボーカルが響いて『スクリプト』がスタートする。一転してロックチューンの世界へと変わり、姿を見せていなかったメンバーも登場して観客も興奮を高める。

続けて『Harsh Wind』の熱いサウンドを響かせた後、メンバーを代表してTa_2さんから改めて挨拶が行われた。「みなさんの熱気がすごい伝わってきて、一番最初の岩田さんのときから、やべぇなと。相当俺たちも意気が入ってこのステージで歌ってます」と、息も切れ切れなTa_2さんの言葉は観客をぐいぐいと引き込み、「今日は“おれパラ”という時間を使って、みんなをひたすらハッピーな気持ちにさせて帰らそうと思います」とこの日の意気込みを見せた。あっという間に時間は過ぎ、ラストナンバー『night flight』ではOLDCODEXのライブでは見ることのないというサイリウムを思い切り振るようにと声を張り上げ、観客と一緒に最後まで熱く駆け抜けた。最後は再びアートパフォーマンスが続き、「Original Entertainment Paradise」の文字が描き出された。

OLDCODEXOLDCODEX
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いよいよラストも近づく中、5番手には鈴村健一さんが登場。『あすなろ』を歌いながらステージに姿を見せた。イベントも終盤に迫りつつある時間帯にかかり、「まだまだ行けるかい?!」と声をかけた鈴村さん。観客からの元気いっぱいのレスポンスに笑顔を見せ、続けて『CHRONICLE』を熱唱してMCへと入った。

鈴村健一さん

まずは「ただいま!」と安堵の表情になり、お帰りとのレスポススをくれた観客へ「みなさんもただいまでしょ?お帰りなさい、皆さん」と鈴村さんらしい言葉を交える。そして今年鈴村さんが掲げた「常」について、今年の出来事、特にライブツアー時を振り返って、「日々を大切にするということを(目標に)掲げてこの地に戻ってきました」とそこに込めた思いを伝えた。さらに3曲目に披露する『12月の空』の話になると、今度は観客へ隣の人と顔を見合わせ、初めての人には「はじめまして」と挨拶をするようにと促す場面も。「こうやって人の輪は広がっていく」と実感させる鈴村さんならではのトークを交え、いろいろな出会いと別れ、その中での人の行き方を思って作った曲だと話してくれた。

『12月の空』のスローリーでどこか切なさが沁みる曲が歌われた後、直ぐにドラム音が4拍子の規則正しい一定のリズムを刻み始めた。「一つのリズムを刻もうぜ」との鈴村さんが示すそのリズムに観客も合わせて手を叩き続け、何かと思っていると、鈴村さんからリズムに合わせて“へんなおじさんの振りを”との指示が出された。鈴村さんらしいジョークの効いた演出に観客は恥ずかしさから笑いを零しつつも、振りは広まり始め徐々にそれを楽しみ出していく。そのままドラム音の中に新しい音も混じり出せば、「いっしょに騒ごうぜ、行くぜ!」とこれまでのテンポにぴったりの『シンプルな未来』がスタート。歓声を上げる観客は手拍子と振りをそのまま継続しつつ、軽快な曲調にラストまで全員でステージを楽しんだ。

鈴村健一さん鈴村健一さん鈴村健一さん鈴村健一さん


とうとうステージはラストメンバー・森久保祥太郎さんへ。今年は“おれパラ”直前のタイミングで発売されたニューシングル『Mr.CLOWN』でのPV用衣装を着用して登場し、ロックテイスト全開で勢いよく『Key』からスタート。続けて『MIRROR』へと入り2曲を続けて披露した。その後は「ハロー、両国!」との挨拶でMCへ。

例年はトップバッターで他出演者の演奏が終わるのを待っていた側から、今年は初めてのトリということだが、「けっこう(出番まで)ヒマかなと思ってたけど、あっという間だね」と待ち時間の間も観客の熱狂ぶりに引っ張られた様子を見せて本人も既に興奮状態。とにかくこの日の開催を嬉しいと話し、「エンターテイメントに関わる人間として、いろいろ考えさせられる2011年でした。その中で凄く明確なものが見つかって、俺はこのためにやっていこうというものが一つ見つかりました」と胸の内を話した。

そしていよいよ新曲『Mr.CROWN』を披露、力強いサウンドに観客の熱もますます高まっていく。終了後再び一息つくと、客席の中に『Mr.CLOWN』の仮面を手作りして持参しているファンを見つけて笑顔を向けた森久保さん。その笑顔をさらに観客へも伝染させるかのように、ここで2012年4月にワンマンライブ決定というファンには嬉しい報告が行われ、会場中から歓喜の声も上がった。が一方で今夜は次の曲が最後と言う場面に。残念さを露にする観客に「大丈夫。まだ残業があるだろう、俺たちには」とアンコールへの期待を匂わせつつ、もう一盛り上がりとばかりに歓声を取り戻して、ラストナンバー『Fatboy』がスタート。観客にコールを頼むと会場一体となって力強い「Fatboy」の声が響き、最後まで歓声とともに会場が沸いた。

森久保祥太郎さん森久保祥太郎さん森久保祥太郎さん森久保祥太郎さん
森久保祥太郎さん森久保祥太郎さん


鳴り止まない大歓声の中突入したアンコールでも、まだまだ勢いは止まらない。まずはおれパラ風アレンジを加えた『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』から。森久保さん、小野さん、鈴村さん、岩田さん、平川さん、鈴木さんの順に最近の出来事を面白く歌詞に乗せて歌うと、観客も大爆笑。曲の後はアンコールのお礼やバンドの紹介、そして再び“おれパラ”を開催できた喜びを込めて挨拶が行われた。そしてアンコールといえばやっぱりあの曲。ということで、岩田さんが段取りを間違えるハプニングも交えつつ恒例の『眠るものたちへ』を歌い、観客も参加してのエンディングへ。

がしかし、普通には終わらないのが“おれパラ”。盛り上がりも最高潮、『眠るものたちへ』の終わりとともにイベントも締めくるべく最後にギターがかき鳴らされる。そして全員で連続ジャンプ・・・となるはずが、ラスト一回のジャンプを飛んだのは岩田さんだけ。他出演者は全員揃って岩田さんを見つめ、してやったりという顔に。岩田さんを嵌めるドッキリが成功したのだった。何が起こったのかわからず、まさかと愕然の表情を見せる岩田さんに「昨日決めました〜」とおどけた口調で鈴村さんが明かすと、会場も大爆笑の渦に包まれた。仕切りなおしに曲の最後の部分をもう一度流して再ジャンプ。今度こそ締めくくられた後に再び昨日のリハーサル時の裏側が話され、岩田さんは「みんなの愛情を感じました」と苦笑いで肩を落としてた。

その後バンドメンバー、ダンサーらも加わった出演者全員がステージに再集合すると、手をつなぎ一列になって挨拶の礼。ステージから退場してアンコールも終了となった。

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それでもまだまだ鳴り止まない拍手に、二度目のアンコールへと突入する。4人が再びステージに上がり、今度こそ最後の曲となる『Galaxy Bus』が紹介された。4人で作詞をしたというこちらは「繋いでいくということが僕らの中で凄く大事なテーマとなりました」(岩田)、「詞を書いているときに嬉しかったのは、4人とも見ている景色が一緒でした。この歌を聴いて、僕らがイメージしている同じ絵が(みんなにも)思い浮かぶんじゃないかと、そんな曲に仕上がった自信があります。みんなと僕らの歌です!」(森久保)と、各々の思いも深い。満を持しての新曲披露となり、こうして2011年の“おれパラ”は終幕となった。

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『Original Entertainment Paradise 2011』セットリスト

OP.おれパラップ〜クリスマスソング(岩田光央・小野大輔・鈴村健一・森久保祥太郎)
M01.セルフ(岩田光央)
M02.かわいいオシリ(〃)
M03.トキドキ(〃)
M04.ウェイクアップ ベイベェ ウェイクアップ!(〃)
M05.共犯者(平川大輔)
M06.プリズム(〃)
M07.Clumsy Heaven(〃)
M08.DELIGHT(小野大輔)
M09.Ride On Funky Night(〃)
M10.熱烈ANSWER(〃)
M11.だいすき(〃)
M12.スクリプト(OLDCODEX)
M13.Harsh Wind(〃)
M14.night Flight(〃)
M15.あすなろ(鈴村健一)
M16.CHRONICLE(〃)
M17.12月の空(〃)
M18.シンプルな未来(〃)
M19.Key(森久保祥太郎)
M20.MIRROR(〃)
M21.Mr.CLOWN(〃)
M22.Fatboy(〃)

<アンコール>
EN1.港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ(ALL CAST)
EN2.眠るものたちへ(〃)
EN3.Galaxy Bus(岩田光央・小野大輔・鈴村健一・森久保祥太郎)