ちょうど2年前、当コラムで「成績優秀なのに仕事ができない“大人の発達障害”」について取り上げたところ、2月22日までに約280万アクセスもの大きな反響があった。

 当時、インタビューさせていただいた医師の星野仁彦・福島学院大学福祉学部教授(医学博士)に再び、お話を伺う機会があったので、改めて“大人の発達障害”について紹介したい。

 やるべきことを先延ばしにする。約束が守れない。時間に遅れる。人の話が聞けない。相手の気持ちを考えずに一方的に話す。物事の優先順位がわからない。後先考えずに行動する。場の空気が読めない。キレやすい。落ち着きがない。片づけられない…。もしそうだとしたら、その原因は“大人の発達障害”にあるのではないか。

 星野医師が2011年4月に出版した『発達障害に気づかない大人たち<職場編>』(祥伝社新書)では、社会へ出たとたん、仕事や人間関係などがうまくいかなくなる人たちのことをそう紹介する。

“大人の発達障害”で多いのは、ADHD(注意欠陥・多動性障害)と、アスペルガー症候群を含むPDD(広汎性発達障害)。その中には、「両方が合併している混合型がかなりの割合を占める」と星野医師は指摘する。

 新しい動きとして2012年には、米国精神医学会の「DSM」(精神障害の診断と統計の手引き)が「?」から「?」に改訂され、ADHDとアスペルガーの合併診断が可能になったという。

 ところが、日本には「大人の発達障害」の専門医は、まだ数が少ない。

 自らも当事者である星野医師は、福島県郡山市の星ヶ丘病院に勤務。星野医師の受診を受けるには、「大人のADHDに関しては、5年先まで予約が埋まっている状態」だ。

 外来で診療に訪れるのは、成人の20歳代から50歳代までと幅広い。初診時の平均年齢は、30歳代だ。

 最高齢は、85歳の女性。都内で英語教師や翻訳の仕事をしていたが、ずっと自己不全感を持ち続けていた。


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