『妖怪人間ベム』と『TIGER & BUNNY』の共通点とは?

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ドラマ『妖怪人間ベム』とアニメ『TIGER & BUNNY』には共通点がある。さらにドラマと映画の『怪物くん』とも共通点がある。

おわかりだろうか?

答えがわかった方は、かなりの業界通だ。

どの作品も人気脚本家 西田征史の手によるものなのである。

ドラマ『怪物くん』と『妖怪人間ベム』では原作の世界観を生かしながら、独自の解釈とストーリーで作品に新しい魅力を吹き込み、高い視聴率を獲得。映画『怪物くん3D』でも興行収入30億円を超えるヒット作となった。

『TIGER & BUNNY』は、最近では珍しい小説やコミックを原作としないサンライズ製作のオリジナル作品だ。この作品で西田はシリーズ構成と脚本を担当している。放送開始後じわじわと人気を上げ、「#tigerbunny」は、6月から9月までの間、日本国内においてtwitterで最も使われたハッシュタグとなった。つまり昨夏、最もつぶやかれたアニメである。またイベントやUSTREAM配信では記録的な数のファンを集め、2011年を代表するアニメになったと言っていい。

彼が描く個性的なキャラクター、数々の伏線と人間模様が織りなす丁寧に作り込まれたストーリーには、以前から定評があったが、最近はさらに磨きがかかったようだ。前述の全作品に共通しているのは、『怪物くん』の大野智、『妖怪人間ベム』の亀梨和也と杏のように役者の隠れた魅力を引き出し、最後には当初の期待以上のヒットとなっていることからもおわかりいただけると思う。

そんな西田が小説『小野寺の弟 小野寺の姉』(リンダパブリッシャーズ刊)を上梓した。

「この数年、大きなスケールの中の小さな話を執筆してきたので、小さなスケールの中のとってもささやかなお話を書いてみました」と本人が語るように、この作品には怪物界のプリンスも特殊能力を持ったヒーローの痛快アクションも登場しない。

主人公は東京のはしっこの木造一軒屋に二人で暮らす小野寺進(33歳)と小野寺より子(40歳)の独身姉弟。特別仲が良いわけでも、悪いわけでもないが、なんだか支えあって暮らしている。ある日、そんな小野寺家のポストに間違って配達された一通の手紙。二人はその手紙を届けに行くことにするところから物語が始まっている。

長篇小説なのに登場人物がほぼ二人。

奇数章は弟 進の目線、偶数章は姉 より子の目線。

大きな事件が起きるわけではないが、それぞれの目線で彼らの日常が西田独自の視点で描かれている。

一見、今まで手がけてきた作品とはガラリと作風が違っているように見えるが、そこは西田作品。個性的なキャラクターはもちろん、クスリと笑える要素、細部にまでこだわったストーリーは健在だ。

そして、ぜひ『妖怪人間ベム』や『TIGER & BUNNY』に通じるものを直接感じていただきたい。

小説『小野寺の弟 小野寺の姉』は、西田が脚本を手がけた映画『アフロ田中』公開日と同じ2月18日に全国書店で発売だ。