昨日から配信している『これで内定! ドラッカー流就活塾』(ATパブリケーション/刊)の著者、藤屋伸二さんへのインタビュー。
 後編となる今回はマスコミに惑わされない企業研究の仕方や、学生が今後必要とするスキル、学生の起業、そしてドラッカーの魅力などについて話を聞いてみた。幾多のドラッカーの解説書を執筆、ドラッカーの思想を知り尽くした藤屋さんはどのように就活をとらえているのか?

■企業分析は“居酒屋で張り込みをしながら”?

―自分が貢献できること、という基準で選ぶと職種準拠になりますよね。ただ、やはり企業の名前を見ながら就活を進める人もいると思います。

「そうなんですが、会社って将来どうなるのか分からないんですよ。結局大企業でも倒産してしまうところはしてしまいます。だから、職種から入るべきだと思いますね。自分がどんな仕事をしたいのかが大切なのであって、どんな会社に入りたいかということじゃないですよね」

―会社内にもいろいろな職種がありますよね。営業、経理、制作、企画、広報など…。その中で合うものもあれば、合わないものもある。

「自分の特性が分かれば、例えば物を相手にする仕事の方がいいのか、人間を相手にする仕事の方がいいのか分かれば、じゃあ人間相手の職種は何があるのか考えていけばいいですよね。その上で、会社にはそれぞれ文化や風習がありますから、自分に合う会社を見つけていけば良いと思います。そうしたほうが間違いは少ないですね。
また、どうしても、大企業志向になってしまいがちですが、それは圧倒的に中小企業の情報が少ないというのがあげられますね。マスコミは話題性に飛びつきますし、多くの人に読んでもらわないと意味がありませんから、どうしてそこで出てくる情報は大企業中心なんですよ」

―では、学生が本当に欲しい情報を手に入れるためにはどうすればいいのですか?

「ドラッカーがよく言っているのは現場に行き、よく見て、よく聞き、よく尋ねなさいということです。自分の目、耳で確認しないと、又聞きでは悪意がなくても必ずバイアスが入ります。OB訪問でも一人だけじゃなくて、たくさんの人に会うべきですし、例えば目当ての企業の近くにある居酒屋で張り込んで、飲み会の会話を聞くとか(笑)。居酒屋でアルバイトなんかすると情報通になれると思いますよ」

―これまで就活についてお話を聞いてきましたが、学生の起業について、藤屋さんは賛成ですか? 反対ですか?

「反対ですね。経験がないことができるわけがありませんよ。時どき特別な人はいますが、そうでない人は不可能だと思います」

―藤屋さんご自身は、ドラッカーの思想のどの部分に魅力を感じたのでしょうか。

「本質という部分と体系的という部分、この2つですね。経営書を読むと戦略、モチベーション、文化、人事など各論について書かれている本はたくさんあるのですが、全部部分的なんですね。だから例えば戦略についての良書を読んでも、組織の作り方はそこには載っていないんですよ」

―つまり、土台がない状態になってしまうということですね。

「そうです。ドラッカーはマネジメントという視点で経営論を展開しますから、その分、本が分厚くなるのですが(笑)、土台の部分はそれくらい必要なんです。マネジメントを勉強しておけば、その後に各論を読んだときに、肉付けできるんですね。根と幹、そして大きな枝がある状態でそれぞれの専門書を読むと、きれいに枝葉がついてくるという感覚ですね」

―現在の学生が今後、必要となってくるスキルはなんだと思いますか?

「テクニックはあとから身に付きます。だから若いうちは古典といわれる本を読むべきですね。まずは生き方について学ぶことが大切です。それから、その生き方を実現するためにどんな仕事をすればいいのか、何を身につければいいのかを考えていけば、最終的には早くなりたい自分になれると思います」

―最後に、学生の皆さんにエールをいただければと思います。

「この本はドラッカーの思想を基盤にして書いているので、間違いはない本だと思います。そして、1回や2回ではなくてメモを取りながら何でも読んで、自分の行動に落としていって欲しいですね」

―本書の中には、そのまま書き込める部分もありますからね。

「そうですね。それを常に確認しながらやっていくのが一番だと思います。是非、頑張っていただきたいですね」

<了>


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