吉本新喜劇からいまや全国区の“すべらない男”。その話術はどうやって磨かれたのか、謎多き男の素顔に迫る

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■月給は2万円!“地獄”の下積み時代

――3月10日(土)公開予定の主演映画『FLY!〜平凡なキセキ〜』で、小籔さんは大阪の町工場のさえない工員、平野満男を演じています。満男は相武紗季さん演じる工場のマドンナに惚れているのに、遠くから見ているだけ。小籔さんから見て、満男はかなりもどかしかったんじゃないですか?

【小籔】いやいや、こう見えて僕も内向的な人間なんですよ。きれいな女の人とデートしたり、好きな女の人に気軽に「今度遊びに行こうや」と誘えるタイプではないんですね。だから、満男に共感できる部分は多かったですよ。

――意外と、学生時代とかイケてなかったってことですか?

【小籔】高校は男子校やったんで、週3くらいで合コンしていましたね。女のコの友達もめちゃくちゃいたし、すごく充実していました。

――全然、満男タイプじゃないじゃないですかっ!(笑)

【小籔】高嶺の花には手を出さなかったという意味で、満男に共感できるなと(笑)。僕の場合、合コンといってもほかの男たちとは目的が違ったんですよ。

――その年齢の男って、女のコと仲良くなって、あわよくばエッチすること以外考えてないでしょ!?

【小籔】いや、僕は合コンに来た女のコ全員に「いままでのコンパのなかで断トツ面白いわ〜」と言わせたら満足(笑)。で、心の中でほかの男たちに「どや! オレがいちばん笑かしたやろ」と思い、女のコたちに対しても「どや! その辺の男とは面白さが違うやろ」とほくそ笑む。合コンは自分のしゃべりを試す場だったんです。

――さすがですね(笑)。テレビ番組などでよくお話しされている奥さまと知り合ったのも、そんな高校を卒業してからだとか。

【小籔】卒業後、1年間プータローをしていまして。その冬に男3人、女3人でスキー旅行にいく予定を立てたんですが、女のコがひとり急に来られなくなって、代わりに来たのが嫁はんでした。初対面だったので最初はうっといヤツかなと警戒していたら、めっちゃ面白かったんですよ! 大げさでなく、これまで出会った女のなかで3本の指に入るくらいでしたね。

――奥さまとは9年間の交際を経て結婚されたんですよね。なんでも、プロポーズしたのはデビューから組んでいた漫才コンビ「ビリジアン」の解散直後だったとか。

【小籔】僕には夢がふたつあったんです。この世界で売れることと、幸せな家庭を持つこと。コンビ解散が決まったとき、ひとつめの夢は終わったなと思って……。だから、普通の仕事に就いて幸せな家庭だけでも手に入れようと思ったんです。でも、吉本を辞めるって言ったらケンドーコバヤシさんとかバッファロー吾郎さんとか、いろんな人に説得されて。こんな気のいい人らに囲まれた職場はほかにないなと思って、嫁はんに「あと1年だけこの世界でやらせてくれ」って頼み込んだんですよ。

――そして、結婚直後に吉本新喜劇に入団された。

【小籔】新喜劇なら安定収入が得られるかと思って(笑)。でも、結婚してからの2年間は地獄のようでしたね。とにかく、仕事もお金もない。新喜劇で頑張ろうと思っても、セリフは「ありがとう」のひと言だけ。それで月給は2万円……。当時28歳でしたけど、生活費を稼ぐために家の近所のファミレスでバイトをしていました。

――新婚なのにツラいですねぇ。

【小籔】自慢やないんですけど、僕ってええところの子だったんですよ(笑)。子供の頃はファミコンソフトを200本くらい、『がんばれ!!ロボコン』の超合金も全種類持っていました(笑)。それまでなんの苦労も知らなかったんです。まぁ、そんな下積み時代があったからこそ、ハングリーになれたんやろうなと思いますけどね。