就職超氷河期と言われ学生には何かと厳しい就活事情が語られる昨今、老舗出版社の岩波書店が2013年度の定期採用について「岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」と条件をつけた。
あからさまな「コネ採用」ではないかと、新聞・テレビでは小宮山洋子厚生労働大臣の「公正な採用・選考に弊害があるという指摘かと思うので、早急に事実関係を把握したい」というコメントと共に「公平性」という点で疑問符をつける報道が目立った。その後2週間以上たってから「問題はない」という見解も発表されたが、ブログ上では最初から違うトーンで語られることが多かった。

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目立つのは
・ぶっちゃけましたね〜岩波書店。みんな隠れてやっていることを明言するほうが気持ちいい
・何を今さら…私が以前勤めてた会社も新入社員はコネ入社がほとんどだったよ〜
・田舎育ちの私にとって、コネで就職するのは別に耳新しいことではないけど?
・実質コネ採用してるのに「平等に募集してます」って言ってる企業よりよっぽど良心的
など、いつの時代もどんな業界にも「コネ採用」というものがあるという現実を語る社会人ブロガーのコメント。

とくにマスコミという人気業界にあって、毎年「若干名」しか採用しない老舗出版社とあれば
・もともと何のツテもない人がたやすく入れる業界ではないのだから、騒ぎたてる話ではない
・コネを見つける力も編集者としては必要な能力。実質的な選抜テストと言えるのでは
・本気で出版業界、岩波のような老舗への就職を考える人なら驚くことではないはず
・岩波で本をつくれる人とは、ちゃんと勉強してて岩波から本を出してるような教授とも
 対等に話せる人ってことでは?
といった語られ方もされて、公平性の問題というより「業界事情」として捉えるブロガーが多い模様。

もちろん就職活動において「公平性」は必要、存在するべきという立場から
・カタチだけでも公平な採用って言ってほしい〜
・そんなこと言っちゃうと閉鎖的企業ってイメージになりそう
・そうしたいならそうすれば?人材に偏りが出て損をするのは会社だから
といったネガティブコメントも見られるが、この騒ぎを受けて岩波書店はサイトで「応募の際の条件であり、採用の判断基準ではない」、どうしても紹介者が見つからず志望する場合は「総務部の採用担当者に電話で相談を」と改めて告知。コネがあればすぐ内定がもらえるわけでも、コネがないからと門前払いされるわけでもないらしい、当然のことながら。

とはいえ厳しい就職戦線を闘っていると思われる就活生からは
・就職キビシくてピリピリしてるときに神経を逆なでするようなことをっ(怒)
・何のコネもない自分にはイラッとくるニュース!
・自分がこんなに苦労してるのに、コネ入社で楽に入れる人なんてありえないっ
といったコメントも聞かれ、「こんな不景気時代に就活をする世代」のやりばのない感情が垣間見える。今年から就活解禁日が2ヶ月遅くなり、短期決戦となった学生たちのブログからはネット時代の就活の大変さも伝わってくる。会社説明会がネット予約であっという間に埋まってしまう!といった焦りは、アナログ就活時代にはなかったものだろう。

前述した岩波書店の追加告知には「採用予定人数が極めて少ないため、応募者数との大きな隔たりを少しでも少なくするためのもの」ともあるように、今回の問題の本質につながる時代性とは「不景気」というよりもむしろ「就活のあり方」かもしれない。

大学生の数が増え、ネット応募が一般的になり、人気企業や大企業に大量のエントリーシートが殺到…不景気による採用数減少が追い打ちをかけて多くの不採用者が発生してしまうスパイラルに、採用する側もされる側も疲弊しているよう。

それは学生と企業のどちらにとっても不幸なことなのだから、採用したい・されたいというマッチングがうまくいくようなネット技術なりシステムなりが開発されて「ネット時代に就活できてよかった」と思える日がきますように。

(夏目 昌)

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