現地時間2月19日の『シアトル・タイムス』紙は、ジェフ・ベーカー記者による「イチロー以外にマリナーズのリードオフが務まるのはショーン・フィギンズしかいない」という記事を掲載しています。
内容はタイトル通りで、イチローを1番打者から「降格」させるとしたら、だれが後継に適切かというもので、マリナーズ加入以降期待を裏切り続けているフィギンズが、「それでも他の選手よりはマシ」と結論付けています。
そして、この記事の背景にある考えは、「そもそもマリナーズ低迷の原因のひとつは、1番打者のパフォーマンスが悪すぎること」というものです。
このことには、イチローの打順変更議論に関する日米の報道の軸足の位置の違いが感じられ、大変興味深いと言えます。

日本では、まあ当然ですが「連続200本安打も途切れたことだし、すでに38歳のイチローを最も活かすことができるのは3番ではないか?」というかなり前向き?な視点からのホットな議論が多く目につきます。
しかし、彼の地では私が目にする限り、「2011年、イチローの出塁率が.310と低かったため、マリマーズはトップバッターの出塁率でメジャー全球団の中で25番目だった。この問題に手を付けなければ、マリナーズの上昇は無い」というような主旨のものが多いように思えます。
言い換えれば「イチローじゃダメだ。代わりのリードオフを見つけよ!」というものです。

これからのスプリング・トレーニング(日本で言うオープン戦)や、来月の日本での開幕戦で、エリック・ウエッジ監督がイチローの打順を(日本で最も噂されている)3番とするか、(現地で有力視される)2番とするか、はたまた不変とするかは定かではありません。
しかし、どこになるにせよそもそもの議論の原点がどこにあるかをしっかり認識していないと、ウエッジ監督の判断に対する評価を見誤ることになるかもしれません。