朝晩の化粧水や乳液をかかさず、ひげやむだ毛の処理に余念がない――。そんな若い男性が今、じわじわ増えている。身だしなみを気にし、美と清潔感を求める、そんな男性たちは「清潔男子」「綺麗男(きれお)」などと呼ばれ、20代を中心に増殖中なのだそうだ。

リクルート(東京都千代田区)が年明けに発表した2012年のトレンド予測では、美容領域のキーワードに「綺麗男」が挙げられた。同社による と、肌や髪、ボディなどを清潔に保って、気持ちよく毎日を過ごしたい、という若い男性の欲求は強いそうだ。

まゆ毛の手入れ「あり」が25〜29歳で23%

リクルート傘下のビューティワールド総研が2011年12月、首都圏在住の男性500人(25〜49歳)を対象に実施したアンケート調査では、「肌やひげ、ボディ のケアなどに関心があるか」の質問に対し、25〜29歳の37%が「ある」と答えた。全体では25.2%、45〜49歳では17%と2割に満たず、20代の若者の関心が突出して高いことが分かる。

「電車の窓ガラスや街のショーウインドーで自分の姿をチェックすることが多いか」に ついても、「多い」と答えたのは25〜29歳で18%と、全体(8%)より10ポイントも高い。「サロンなどでまゆ毛のお手入れをしたことがあるか」では、「ある」 との回答は25〜29歳で23%、全体(15.4%)を大きく上回る。

実際、「唇がかさかさして、不潔に思われたくない」とし、リップクリームを常備する 若い男性は少なくない。携帯用の鏡を持ち歩く男性も増えている。そんな「清潔男子」「綺麗男」の増加を受け、男性用の化粧品は多様化し、売り上げも好調だ。男性向け化粧水シートの昨年度の売り上げが10年前の3倍を超えるというメーカーもある。百貨店などでは爪を整える男性用のやすりなど身近なケア用品もよく売れ、男性向けエステも大はやりだそうだ。

「女性自身が、美しく清潔な男性を好むようになっている」

美を求めることは、これまで女性たちの専売特許ともいえた。若い男性たちはなぜ、女性に負けず美を追い求めるようになったのだろう。

美容関係者の間では、「女性の社会進出が進んで、女性の力が強まり、男女の性別の差がなくなってきているためではないか」との見方が多い。強い男性像を求める風潮が弱まり、男性も女性と同じように美を追求する傾向につながっているというものだ。「女性自身が、美しく清潔な男性を好むようになっている」との指摘もある。実際、「10代の息子の化粧水や乳液を母親が買い与えている」(化粧品関係者)というケースも多いといい、女性の好みを敏感に感じて行動する男性は少なくない。

美や清潔感はもはや女性だけのものではなくなり、男性たちにとっても必要不可欠な価値観になってきているようだ。