伊勢丹、バーニーズジャパンのカリスマバイヤーで、その後、福助、セブン&アイ生活デザイン研究所の社長を務めた藤巻幸夫氏。現在は、衣食住に関するさまざまなコンサルティング、プロデュースを行い、新名義で活動を開始した。

 その最新作が、新書で出版された『目利き力』だ。

 "目利き"と聞くと、中島誠之助のような骨董商を思い出す人も多いだろう。しかし、ここでいうのは、「自らの基準で物事を判断できる」こと。氏は、「絶え間なくもたらされる大量の情報や、あっという間に変化するビジネス環境のなか、多くの人が他人の意見や風潮、宣伝、流行におし流されがちな現代」において、「目利き力」が必要とされていると主張する。

 たとえば、今年初めに、某グルメサイトの"口コミ代行会社"問題を契機に、世間で話題になった「ステマ(ステルスマーケティング)」。これも筆者の言う現代社会の一つの象徴的なもので、「目利き力」をもってすればクリアできる問題だといえる。

 では、この力をつけるにはどうすればいいのか? 氏は47もの具体例を挙げている。その一つ、「いいものを選ぶには『拡張』と『収縮』が必要」という項では、こうアドバイス。「まずはネクタイでいい。今までしたことがないような派手な色のものをしてみよう」。

 「早くから自分の領域を限定し、その世界から出ようとせず、その中で『縮こまって』しまっている人がいる」ことを指摘し、その状況を打破する手立てを提案。まずは、自分の知識や経験、テリトリーを広げていく「拡張」を行い、自分にふさわしいもの、心地よいもの、似合うものを選択して「収縮」していくことをすすめる。

 筆者はバブルにさしかかっていた伊勢丹勤務時代、社内融資制度を使って借金をし、高い洋服を買いまくっていたという。そのおかげで、今は衝動買いをすることもなく、店に入って10分もすれば目的の商品を買うことができるそうだ。借金までして"買った失敗"。これが氏に成功をもたらしたことは、真実のようだ。



『あのカリスマバイヤーが初めて『目利き』について語る』
 著者:
 出版社:PHP研究所
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