すったもんだの理事選を経て2月1日、史上初の再登板となった北の湖体制の新陣容が発表されたが、その内容は疑問を持たざるを得ない。

 顔触れは、協会ナンバー2といわれる事業部長に九重親方(元横綱千代の富士)、前任者が北の湖理事長だった春場所担当部長には貴乃花親方(元横綱貴乃花)、新しく設けられた危機管理部長には八角親方(元横綱北勝海)…。
 つまり、重要ポスト、注目ポストは横綱経験者でズラッと固めてしまったのだ。
 「大相撲界はいま、公益財団法人問題などが山積している。ニラミも利く北の湖理事長は、これらの問題を正面突破してしまおうと思っているんでしょうが、もう現役時代の番付で大手を振ってまかり通る時代じゃない。まして事業部長に就任した九重親方は、史上最低の7票でやっと理事に滑り込んでいる。現役時代のカリスマ性はもう消え失せていますから、どこまで北の湖理事長を補佐できるか疑問です」(協会関係者)

 北の湖理事長は、弟子の大麻事件の責任で辞任に追い込まれ、前任期中もヒラ委員だった貴乃花親方を役員待遇に引き上げたり、理事に初当選した九重親方を広報部長に抜擢するなど、極端な横綱偏重策をとっている。その結果、体制が硬直化し、相次いで発生したトラブルや不祥事への対応が遅れて協会内に不協和音が渦巻いたのはまだ記憶に新しい。北の湖新理事長は先月30日の就任会見で、「身の引き締まる思い。残りの人生すべてを懸けるつもりでがんばる」と抱負を述べたばかりだが、やっていることはあまり代わり映えがしないのだ。

 そう言えば、春場所担当部長に就任した貴乃花親方も、いざ大阪入りして最初に打ち出した観客動員プランは、「来ていただければ館内が映える」と、なんと驚きの“和装デー”の新設だった。
 「景子夫人の発案で、初場所、貴乃花部屋で実施したら65人が参加し、好評だったというんですね。こんなことで春場所の会場を満員にできると思っているんでしょうか」(担当記者)

 北の湖体制の前途は多難。