日本気象協会の発表によると、首都圏での花粉飛散開始は2月15日前後と予測されている。いよいよ本格的な花粉飛散シーズンが近づいてきたが、もっともやっかいなスギ花粉に関して、1月20日に「スギ花粉がヒトの細胞を破壊する」という驚愕の発表がなされていた。

 これは、ダイキン工業が、京都大学大学院(工学研究科)の高野裕久教授との共同研究によって実証したもの。この研究によると、スギ花粉が単にアレルギー症状を引き起こすだけでなく、そもそも花粉自体が有害物質を含んでいるというのだ。ダイキン工業・環境技術研究所・主席研究員の新井潤一郎氏(医学博士)が解説する。

「花粉そのものが直接、人の細胞に有害に作用することがわかったのです。わかりやすく言うと、気管支系の粘膜細胞が死にます。一定量以上の花粉を、鼻やノドから肺へつながる粘膜を構成する『気道上皮細胞』に接触させると炎症が起き、何割かの細胞が破壊されることが確認されました」

 粘膜細胞が破壊されるとどうなるのか。

「呼吸器系の最初で最大の防壁である粘膜に穴が開くということで、いろいろな病気にかかりやすくなるのは間違いない。これはバカにできないことなんです。いずれにしても、今までは花粉症=花粉アレルギーと思われていたのですが、花粉の有害性を考えれば、花粉アレルギーでない人も、くしゃみや鼻水などの症状に悩まされていた可能性があるというわけです」(新井氏)

 そもそも20〜30年前まではメジャーな存在ではなかった花粉症。現在の蔓延は、アレルギー体質の人が増加しただけとは言い切れない面もある。新井氏が続ける。

「なぜ、スギの木がたくさんある山間部より、都市部のほうが花粉症に悩まされる人が多いのか、また症状がひどいのか、理由をご存じですか? 都市部では、花粉がクルマなどから排出されるディーゼル排気粒子などを吸着して有害性を増しているのです。これが原因で山間部よりも都市部で花粉症が拡大しているのではないかと思われます」

 いわば、“ハイブリッド化”だ。こうして年々明らかになっていく花粉の正体は、単にアレルギーを引き起こす物質ではなかったということ。今年の飛散量は例年並みか例年より少なめと予想されているが、油断は禁物だ。

(取材/近兼拓史)

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