ベストセラー作家が語るアイデア発想法

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 ベストセラー『地頭力を鍛える』の著者であり、ビジネスセミナーの人気講師でもあるビジネスコンサルタント・細谷功さんが講師を務めるクラウドBOOK『細谷功の「思考の積み木」』(NTTプライム・スクウェアのコンテンツモール「Fan+(ファンプラス)」にて配信中)。この動画、テキスト、図表を格納したコンテンツは、私たちが普段何気なく行っている“考える”という行為がどのように成り立っているのか分解し、“考える”ことを構成している要素や、その組み合わせ方までを解説するなど、思考というものを徹底的に分析していく。
 細谷さんはこのクラウドBOOKを通してユーザーにどのようなことを伝えようとしているのか、お話を聞いた。

―まず、『思考の積み木』というクラウドBOOKが生まれた経緯を教えていただければと思います。

細谷「最初は全然違う話で、サイエンスカフェをやりましょうということだったんですが、気がついたら黒板の前に立って講義をしていましたね。動画には出ない主義だったんですが、いつのまにか…(笑)」

―実際に黒板を使った講義をやってみて、どのような感想を持ちましたか?

細谷「通常の講演やセミナーはパワーポイントを使っているんですが、『思考の積み木』は黒板とチョークです。パワーポイントは情報量が多いので、その情報が全部伝え切れているかというと、そうではないところがあるんですね。でも、黒板に書きながら話すというやり方だと、純粋に必要なことだけ書くので、伝えたい情報と黒板に書いていることが同期するというところはありますね。じつはまだ慣れていないのですが、なんとなくペースはつかめてきた気がします」

―『思考の積み木』を通して、ユーザーの方々にどのようなことを学びとって欲しいとお考えですか?

細谷「私の著作やセミナーなどの活動では“考える”ということが共通のテーマになっています。“考える”ということをわかりやすく可視化して、受け手の方それぞれに今までとは違うものの見方をしてもらえればいいかなと思いますね」

―第1号の講義の時、黒板に積み木の絵を描かれていましたが、あれを見て私自身“考える”こととはどういうことなのか納得しました。細谷さんご自身が“考える”ということを積み木型に表し始めたのはいつ頃のことでしょうか。



細谷「10年くらい前ですかね。コンサルタントのなかで、チームの若い人に“自分はこうやっている”ということを伝えないといけないとなった時に、形にして表す必要があって、その頃からだと思います」

―まず「知的好奇心」という下地があって、その上に様々な要素が積み重なっている。“考える”というのはそれらの要素の組み合わせだ、というのは実感としてすごくわかるところです。

細谷「そうですね。思考力について書いている本はいろいろあるのですが、各要素が並列になっていることが多くて、私は二次元の平面的な並び方よりも、三次元の積み重なった並び方の方が収まりがいいと思いました」

―たとえば、会社で新規事業のアイデアを考えたりする時は、それぞれの要素をどのように組み合わせればいいのでしょうか。

細谷「実際に表面に出てくるのは仮説思考力、抽象化思考力、フレームワーク思考力の3つです。まず「仮説思考力」で、“どういう目的でどういうことをやるか”を考え始めます。次に「フレームワーク思考力」を使って、やろうとしていることの全体がどうなっているかという地図を描いたり、俯瞰して見ることで抜けや漏れのチェックをしながらアイデアを膨らませていって、それと同時に「抽象化思考力」で単純化して、個別の事象だけでなく、やるべきことの構造といいますか、各要素の関係性を見ていきます。
このような考え方は、事業計画に限らず、ビジネスに限らず、何でも同じだと思いますね」

―細谷さんが講義で書いていた積み木の絵の一番上の3つを使って繰り返し考えるということですね。

細谷「そういうことですね。仮説思考というのは因果関係というか、原因と結果の関係です。言いかえれば、目的と今やっていることの関係性を捉えるというのが仮説思考力。
表面に起きていることだけでなく目的と原因、つまり将来と過去を繋げることですね。
フレームワーク思考力は、今やっていること全体を描いた大きな絵の中で各要素を繋いで考えます」

―講義の中で、仮説を立てる場合はある程度直観が大事だとおっしゃっていましたが、その場合の直観というのは単に「これでいいような気がする」というようなものでいいのでしょうか。

細谷「直観というのはじつは経験からくるもので、失敗と成功の積み重ねによって、あるパターンがうまく行くか行かないかということがわかってくることだと思うんですよね。
将棋とか囲碁をイメージしていただくとわかりやすいのですが、将棋や囲碁には定石と呼ばれるパターンがあります。それを覚えることに加えて、“こう指したらこうなる”という経験が積み重なってくると、“こういう場面ならおそらくこれがいいに違いない”という手が記憶のどこかから出てきます。
だから、直観といっても完全なひらめきというものはそんなになくて、眠っている昔の経験なり積み重ねから、あるタイミングでパッと出てくるというものじゃないかと思います」
(後編につづく)


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