アンジェリーナ・ジョリーが2月14日、自身の初監督作品『In the Land of Blood and Honey』の試写会を映画の舞台となったボスニアで行なった。

本作は、1990年代に起きたボスニア紛争時を舞台に、敵対関係にあるセルビア人男性とムスリム女性の恋愛を描いたフィクション。パートナーのブラッド・ピットと共にボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボに到着したアンジェリーナを、5,000あまりの人々が出迎えた。

上映後の会場は、スタンディング・オベーションの嵐に。アンジェリーナは涙を浮かべながら、「この作品を皆さんと分かち合えたことは、私にとって非常に大切な出来事です」と答えていた。

アンジェリーナはまた、上映前の記者会見で「"重い"映画かもしれないが、この作品によって、適切な介入がないと悲惨な出来事が起こるかを示すことができた」とコメント。彼女はこの作品が、国際的なコミュニティーが残虐な行為にさらに注意を払い、それらを防ぐべく行動するための"警鐘"になることを望んでいるという。アンジェリーナは会見の中で、現在シリアで起きている残虐行為に世界が目を向けることの大切さも強調した。

すでに昨年末からアメリカでは公開されている『In the Land of Blood and Honey』。物語の中心は恋愛なのだが、男性が陸軍の兵士となり、女性が性暴力の横行している軍の捕虜収容所に入ると何が起こるかも描かれている。セルビア人(特に男性)の中には、映画が自分たちを悪者扱いしていると批判する声もあり、映画の配給に関わる1人は、ボスニア国内でもセルビア人が多く住む地域では上映しないと強い口調でコメントしていた。

アンジェリーナはこれに対し、「デリケートな問題なのは理解しています。ですが、セルビアの皆さんは知的で、心の広い人たちということも知っています。彼らは自分たちに押しつけられていることと、自分自身が本当に感じることの違いを理解するでしょう」と、セルビア人への敵対心はないと説明。難しいかもしれないが、映画に込められた意図を感じとってほしいとも話した。一方、女性の間では関心が高いようで、セルビア人とボスニア人両方の女性たちはそれぞれ自主上映会を計画したり、実施している。アンジェリーナや関係者もこれにはかなり協力的だとか。

<Huffington Post>によると、ボスニア紛争では何千もの女性が性暴力を受けたという。被害者の多くがムスリム系のボスニア人女性で、しばしば"テロ行為の武器"として、集団レイプの標的となっていた。多くの女性が繰り返し性暴力を受け、中には家に戻され、夫の前に投げ捨てられた女性もいたという。また、あえて夫の目の前でレイプされることも少なくなかったようだ。

自分にとって何か意義のあるものがあれば、再度メガホンを取ることもありうるというアンジェリーナ。まずは『In the Land of Blood and Honey』の日本公開に期待しよう。

試写会に登場したアンジェリーナ・ジョリー
「ある女性が私に近づいてきて、『アイラ(主人公の女性)はまさに私のことよ』って言っていたわ」