マーガレット・サッチャーの栄光の裏に隠された辛い現実とは?/[c]2011 Pathe Productions Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film Institute

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イギリス史上初の女性英国首相マーガレット・サッチャーの栄光と挫折、最愛の夫との物語を描く『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』(3月16日公開)。その本編特別映像が公開された。映像では、サッチャーの親友であり、かつアドバイザーであったエアリー・ニーブの死に直面するシーンが映し出されており、政治家になってからどれほどの苦悩に見舞われてきたかがよくわかるシーンとなっている。

【写真】製作期間中から、英国のみならず世界中で「そっくり!」と声が挙がったメリル・ストリープが演じたマーガレット・サッチャー

「臆病な男たちが言えないことを、誰かが言わなければならない」。男社会で、男たちを牛耳り、数々の政策を導入した彼女は、英国を大きく変えた人物だ。フォークランド紛争での勝利、労働組合制度の改革、低迷する経済の立て直し、3度の総選挙を乗り切り、一時は73%の支持率を誇り、英国のみならず世界の歴史に名を残した。そんな栄光の裏で、サッチャーにも悲劇が訪れていたのだ。

サッチャーの親友であり、かつ政治アドバイザーであったエアリー・ニーブ。その彼が1979年、サッチャーが首相になる直前に、アイルランド民族解放軍(INLA)の仕掛けた爆発物によって暗殺される。本作でもその事件が盛り込まれており、現場に直面したメリル演じるサッチャーの悲しみが伝わってくる。その後も1984年保守党大会開催中のブラントンで、投宿していたホテルでアイルランド共和軍(IRA)による爆弾テロに遭い、議員やその家族など5人が死亡、30人余りが負傷した事件が起きいる。

また、本作のリハーサルが始まるという頃、メリル自身も苦悩の真っ只中にあった。「夫が大きな手術を何度か受けて、それに友人が亡くなったばかりで、最悪のクリスマスと新年だった」とメリル自身が振り返り、その時の心境を明かしている。

そんな中で完成した本作によってメリル・ストリープは第69回ゴールデングローブ賞、2012年英国アカデミー賞などで堂々の主演女優賞を獲得し、現地2月26日(日)に行われる第84回アカデミー賞での三度目のオスカー獲得も濃厚だと言われている。そして3月6日(火)・7日(水)にはフィリダ・ロイド監督と共に来日も決定しており、オスカーを手にしての来日となるか、大いに期待がかかる。【Movie Walker】

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