――栗山さんが演じられたカサンドラは、女性にも関わらず一人でドラゴンに向かって突っ込んで行ったり、逞しい部分もあれば、たまに可愛らしい表情を覗かせる場面もありましたが、彼女に対してどんな印象がありますか?

栗山:例えば、目上の大司教の前で戦士として任務を遂行する、かしこまった感じもあれば、バイロンという親のように思っている人を亡くした時とか、身近な人と話すシーンだったり、結果ガリアンと心を開いて一緒に話しているシーンとか、チョイチョイ人間味が出る加減が「カサンドラのそういう所をもっと観たい」という欲が出てくるんだけど、なかなかそういうシーンが無いという(笑)。だから、これだけ愛着が湧いたのかなと。普段からすごく親しみやすい、可愛らしい役だったら、また違うんでしょうけど。主人公目線になった時、可愛いだけとか、カッコイイだけとか、片方だけでも物足りないと思うんです。その両方が良い具合にあって、自分が男だったら「いいなぁ」みたいな(笑)。

――男目線ですか(笑)。

栗山:ツンデレ的な。ツンがだいぶ多いけど(笑)。

――声優の難しさや、逆にやりがいを感じることはありますか?

栗山:難しさは、技術的な所が特に大きいんですけど、自分が普段セリフをしゃべる時って、言いたいタイミングで間を作ったり、しゃべるスピードだったり、全て自分で計算して、考えてやっているんですけど、声優さんは元々ある映像に合わせる。ある意味、制限された中で、声に特化してお芝居することって、本当に難しいことだな。例えば、私が「あのさぁ」って座りながら言うのは多分、芝居で考えなくても出る普通の息使いだと思うんですけど、座り込みながらしゃべっているアニメーションをみながら、そのタイミングで意図的にやらないといけないという。難しさが全然違って、勉強になりますね。

声優としての技術を求めているなら、本業の声優さんに頼んでいると思うんですけど、私にお話を頂いたというのは、声優さんらしい声の出し方をするのではなく、役者としての声を求めて頂いていると思ってるので。特に『ドラゴンエイジ』は、洋画を観ているかのような映像美なので、そこで変に作り込んだりはあまり意識しない方が良いのかなと思いました。普段のお芝居の延長上とはまた違いますけど、やりがいという意味では気楽に!(笑)。

――栗山さんは“強い女性”のイメージを持たれることが多いのかな?と思うんですが、如何ですか?

栗山:そうなんですよ! 大変なんですよー(笑)。

――ご自身でも感じますか?

栗山:感じます! そういうのは結構、得意な方だと思います。逆に、弱い役とか来ない(笑)。ですけど、私自身がそうではないからこそ、強い女性に憧れますね。なので、すごく光栄なことではありますけど、若干ハードルが上がることだけが、ちょっと苦痛といいますか。「クールだろうな」と思われていて、会ったらそうでもないから、「大丈夫かな? 心配されたりするのかな?」って(笑)。

――でも、そのギャップが良いのかもしれないですね。

栗山:いや、とんでもないです。

――お仕事を依頼する側から、自分のどんな部分が求められていると思いますか?

栗山:お芝居の時は、強い女性とか、何かがデキル女風だったり、「また来たよー!」みたいな、自分が比較的つかみやすい役柄を頂くことが多くて。皆さんが思っているイメージは、自分でもすごく理解しているつもりなので。その上で、どういう役が来ても「なるほどね、こうやって欲しいのかな?」みたいなのは、なんとなく。

――自己認識としては、ご自身はどういうキャラクターなんですか?

栗山:私は、すごくドSキャラな見え方をしてますね。スチールとかお芝居でも、そういうものを与えられることは確かに多いんですけど、敢えて自分がそれを楽しんでやっています。でも、実際の私はどうか?と言ったら、そうでもないという。じゃあ、可愛い女性とカッコイイ女性、どっちになりたいか?と言ったら、やっぱりカッコイイ女性なんですよ。なんだったら「男前!」と言われたい。「かぁわいいー!」とか言われるぐらいだったら、「カッコイイね!」みたいな方が絶対に嬉しい訳ですよ。なので、目指す方向とか、自分が何かを表現した時に、そっちの方向に自然と流れているんだろうなって、自分でも思います。

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