1日、米フェイスブックがIPO(新規株式公開)を申請した。世界最大規模のSNSであるフェイスブックの上場申請は、中国国内のメディアでも大きく報じられた。数年前から、Facebookの中国上陸がまことしやかに伝えられていたこととも無関係ではない。

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□飛躍する国産SNSとFacebookをめぐる臆測

 1日、米フェイスブックがIPO(新規株式公開)を申請した。世界最大規模のSNSであるフェイスブックの上場申請は、中国国内のメディアでも大きく報じられた。数年前から、Facebookの中国上陸がまことしやかに伝えられていたこととも無関係ではない。

 捜狐財経は2月3日付の記事で「中国におけるFacebookのライバルたち」という記事を発表し、Facebookを模倣した人人網や、SNSも運営する大手ポータルサイトの新浪、テンセントをライバルとして取り上げた。また、ザッカーバーグが2010年には百度や新浪や、通信事業者の中国移動などとも接触した経緯を披露している。ザッカーバーグ自身、中国市場に対して非常に魅力を感じており、毎日1時間は中国語を勉強していることなども伝えられている。

 一方、中国SNS市場は巨大な人口に支えられた一大マーケットを形成しているが、現状は多くのSNSが乱立している状態でもある。多くのユーザーを獲得した人人網のほか、比較的参加年齢層が高いといわれる開心網、中国で最も有名なチャットソフトQQから派生したQzoneは、朋友網などとも連係し、中国各地で多くのユーザーを獲得した。また、実名性の出会い系SNSやサラリーマン向けのSNSなど、ターゲットも細分化し続けているのが特長だ。

□Facebookを待ち焦がれる人々

 それでは昨今、中国メディアでも頻繁に登場するようになったFacebookは、中国消費者にとってどのように認知されているのだろうか。

 サーチナ総合研究所(上海サーチナ)は、2011年10月、中国全土3,000人を対象にインターネット調査を実施、「Facebookを知っていますか」と聞いたところ、「知っているし、アカウントを持っている」人が13.4%、「知っているが、見たことはない」と答えた人が39.5%、続いて「聞いたことはあるが、よく知らない」人が22.4%、「初めて聞いた」と答えた人が22.8%となっている。全体の半数が認知しており、かついくらかのネットユーザーは規制を飛び越えてアカウント登録をしているということになる。FacebookのIPOが中国各メディアでも大々的に報道されたことから、認知度はより高まっていることだろう。

 続いて、Facebookについて説明した後、「Facebookを使いたいですか」という問いに対しては、「ぜひ使いたい」が42%ともっとも高く、「よく知らないし、わからない」が28.4%、「特に必要ない」が12.0%、「人人網や開心網で十分だ」という回答が5.3%となった。全体の半数近くがFacebookの利用を希望しており、今後中国市場に開放されることになれば、人人網や開心網など既存の国産SNSからの大規模な乗り換え、ユーザーの移動が起こる可能性を秘めている。実現可能性については未知数ながら、多くのネットユーザーが国内にとどまらずグローバルにつながるSNSを希求しているということができるかもしれない。

□壁を飛び越えてつながる網民たち

 実際、中国におけるFacebookユーザーは拡大の一途をたどっている。2011年3月19日Social Bakersが報じたところによると、中国国内のユーザーは65万人を超え、増加率はトップで612%の伸びを示しているという。こうした大幅なユーザーの増加は、例えば「ジャスミン革命」においてみられたような、政治的な事件から認知し参加していくという流れがある。また、映画「ソーシャル・ネットワーク」などメディアからの影響も大きいだろう。その他、外国で学ぶ留学生や社会人が帰国してからもVPNなどを駆使してアクセスしているようだ。

 中国のマーケットはいまなお成長を続けており、多くの外国資本が中国へ進出している。一方で中国は、一部で国外のサービスを遮断することによって国内市場を育成し、数の力で魅力的なマーケットを創出するという手段を採った。しかし、サービスそのものに魅力がない限り、中国のネットユーザー(網民)たちは、あらゆる手段を駆使してグローバルな世界へ越え出て行くだろう。Facebookの中国進出は夢物語に終わるかもしれないが、自由な表現やつながりを求めて規制を突破する人々はこれからも増え続けるだろう。(編集担当:前田直人・サーチナ総合研究所研究員)