認知症 早期発見に必要な「ウソ」

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 年齢を重ねるごとにさまざまな病気になるリスクが上がっていくものですが、その中でも怖いものの一つに「認知症」があります。認知症にかかった人のケアや介護は家族に大きな負担を強いるものですし、種類によっては治療が困難なものもあります。
 多くの他の病気と同じように、認知症も後の治療がどのように進むかは早期発見にかかっています。しかし、認知症には、その疑いある人に病院での診察をすすめても、ほとんどの場合は本人が嫌がるという特徴があります。結果として診察を受けるのが遅れ症状を進行させてしまうというケースが多いのです。
 では、認知症の疑いがある人に、速やかに医師の診察を受けてもらうにはどうすればいいのでしょうか。9年間にわたり認知症の夫の介護を経験した多賀洋子さんの著書『認知症介護に行き詰まる前に読む本 「愛情を込めたウソ」で介護はラクになる』(講談社刊)から、その方法を紹介します。

■初診は本人を連れず、家族だけで
 多賀さんは、認知症の疑いのある家族に診察を受けさせるためのコツとして、初心は本人を連れずに家族だけで行くことを勧め、その場合は精神科や神経内科、もの忘れ外来などがいいとしています。
 家族だけで初診を受ける利点は、「日頃感じているおかしな言動」「理不尽な言動」など、本人がいると気分を害す可能性のあることでも医師に相談できることです。
 家族だけで診察を受けるというのは変則的な方法だと思うかもしれませんが、専門医はそういったことに慣れています。家族だけで初診を受けることは決してまれなことではないということはわかっておきましょう。

■早期発見のためのウソ
 家族だけで初診を受けたら、次は本人に診察を受けてもらう段階です。しかし、本人に「認知症かもしれないから病院にいきましょう」と言っても、素直に診察を受ける人は少ないでしょう。
 本人に診察を受けさせるコツは、小さなウソをつくこと。
 例えば自分の配偶者に認知症の疑いがある場合、まず最初に「健康診断を受けにいきましょう」と誘ってみましょう。それでダメならば、「私が健康診断を受けるのに付き添ってほしい」と言い、本人を病院に連れ出します。そして「せっかくだからあなたも…」ということで本人にも診察を受けさせるのです。家族の申し出には怒ったり渋ったりした人でも、医師や看護師の指示には素直に従う人は多いようです。
 とはいえ、脳のMRIやCTを撮る時に疑問を口にする人もいます。そんな時は「脳腫瘍」や「脳梗塞」などの病気がないかどうかの検査だと伝えましょう。
 ウソをついて診察を受けさせるのは気が引ける、という人もいるかもしれませんが、これは悪意からくるウソではなく、愛情ゆえのウソ。うしろめたさを感じる必要はないと多賀さんはいいます。

■風邪などの病気の治療のついでに受診させる
 認知症かどうかわからない段階で、診察を受けさせようか迷っている時に、たまたま本人に風邪や腹痛などの体調不良が起こったら、それを利用することもできます。
 体調不良の診察のついでに認知症についての診察もしてもらうのです。
 この場合は、前もって病院や医師に事情を説明しておくのがいいでしょう。

 『認知症介護に行き詰まる前に読む本 「愛情を込めたウソ」で介護はラクになる』には、認知症介護の経験者だからわかる、ケア方法や微細な初期症状、デイサービスを始める時のコツなどが紹介されています。
 加齢だけが認知症の要因ではありませんが、高齢化によって認知症はさらに増えることが予想されます。自分の家族が認知症にかかったらどのように行動すべきか、本書を読んで考えておいて損はありません。
(新刊JP編集部)


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