お父さんのための「スポーツカー購入術」〜奥様説得編〜

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男なら一度は憧れる車、スポーツカー。しかし、妻帯者の男性にとってスポーツカー購入までの道のりは険しい。「格好良くて速い」という男心をくすぐる特徴とは裏腹に、「車内が狭い・乗り心地が悪い・値段が高い・燃費が悪い・運転しづらい」といったF1、F2層ならではの負のイメージがつきまとっているからである。

スペックや性能の素晴らしさを説明しようとも、聞く耳持たずの妻。「足回りが硬いって何それ? 金属で出来てるんだから硬いのは当然でしょ!」と返されてしまってはその勝負に勝ち目はないだろう。

そこでだ。今回は、2012年3月に発売予定の「SUBARU BRZ」を例に、『スポーツカーを買ってもらうためのプレゼン手法』を指南してみようと思う。まずは自身が欲しい車の特徴をよく理解すること。そしてそれを相手(妻)のレベルや気質、機嫌に応じた最適な切り口で説明すること。これこそがスポーツカー購入の第一歩だと言える。それでは早速、以下を参考に奥方の稟議承認を得て欲しい。

SUBARU BRZ の特徴その1:「FR」(フロントエンジン・リアドライブ)について

【専門知識で押し切る】

『車体前部にエンジンを配置し、プロペラシャフトを介して後輪を回転させる駆動方式』の魅力はお前には解らんだろうな。まぁいい、深いこと考えずに買ってくれ、BRZ。

【かみ砕いて実直に説明してみる】

一般的な車と違って、BRZは後ろのタイヤが回転して車体を動かすんだ。前のタイヤは舵取り専用。つまり、後ろと前のタイヤそれぞれが自分の仕事に専念出来るようになるから車のポテンシャルがグンと上がるんだよ。

【身近なものに例えてみる】

あの犬を見てごらん。後ろの脚で地面を蹴ってあんなに速く走ってる。やっぱり後輪駆動だよなぁ。そう、BRZみたいに。

【悪あがく】

お前だって電動ママチャリ乗ってんじゃん! あれ、FRなんだよ! 俺だってFR車に乗りたいんだよ!

SUBARU BRZ の特徴その2:「水平対向エンジン」について

【専門知識で押し切る】

『シリンダーを左右交互に水平に配置したエンジン、これがなし得る究極の低重心化、そしてそこから得られる未体験のハンドリングフィール』の魅力はお前には解らんだろうな。まぁいい、深いこと考えずに買ってくれ、買って下さい、BRZ。

【かみ砕いて実直に説明してみる】

普通、車のエンジンのピストンは上下に振動するんだけど、水平対向エンジンではピストンが寝かされた状態で置かれていて水平方向に振動するんだよ。このつくりによって従来のエンジンよりも重心が低くなるから、その分車が安定し走行も快適になるんだ。

【身近なものに例えてみる】

もし、そこにある木材で「餅つきをやる」か「除夜の鐘を鳴らす」か、どちらかを選べって言われたらどうする? 俺だったら迷わず「除夜の鐘」だな。年の瀬のドラマチックなイベントだし、何よりもあの動きは水平対向エンジンそのものだからね。

【悪あがく】

いいか。水平対向エンジンを開発したのはベンツだ。そのエンジンは今やポルシェにも搭載されている。どちらも言わずと名の知れた高級車だ。けど俺は何もベンツやポルシェを欲しがってるわけじゃない。うちの家計のことも自分の稼ぎのこともよーく判ってるつもりだ。だから言ってるんだ、俺たちにはBRZしかないって。


SUBARU BRZ の特徴その3:スポーツカーならではのスタイリッシュ性について

【専門知識で押し切る】

『低く抑えられたボンネットとルーフが醸し出すスポーティなシルエット、そしてパケットシート着座時のフィット感やドライビングポジションが確保されたデザイン性』の魅力はお前には解らんだろうな。まぁいい、深いこと考えずに買ってくれ、買って下さい、いやほんとに、BRZ。

【かみ砕いて実直に説明してみる】

見た目がいいのはもちろんだよ、スポーツカーだからね。でも、驚かされるのはその乗り心地。運転席に座った時にお尻がきゅっと締め付けられる感触。急カーブでも横に振られない安定感。そして目の前の視界の広さ。どれも走りを追求した結果のデザインだけど、走る仕様の車を作るってことは、その挙動に耐えうる乗り心地を提供することに繋がるんだなぁって実感させられたよ。さぁ、乗ってみて。

【身近なものに例えてみる】

俺は見た目キレイな女が好きだ。炊事、洗濯、風呂掃除、そんなものは俺がやればいい話。出来なくったって、見た目以外にもいいところは沢山あるだろ? お前のことだよ。そしてこの車だっておんなじだ。

【悪あがく】

たしかに後部座席は狭いよ。でも、文句言う暇あったらお前が痩せれば済むじゃないか。(うぁっ、ごめんなさい!)

・・・

以上の指南書をもって、「私はこれで、BRZを買いました」の報告が全国から寄せられることに期待する。ちなみに筆者はこの手法を駆使してTOYOTA車の購入依頼をあげてみたが、あっけなく否認されてしまった。1戦1敗、勝率ゼロからのスタートである。立ち上がれ、全国のお父さんよ。

■SUBARU BRZ 特設サイト (http://subaru-brz.jp/)

(コーマントニオ・バンデラス)