超新星爆発を起こそうとしている“ベテルギウス”とは?

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 冬の星空で一際、輝いて見えるベテルギウス。オリオン座、冬の大三角形をつくっている星の一つだ。赤い色が印象的なベテルギウスに今、異変が起きている。爆発の兆候があるというのだ。

 『ベテルギウスの超新星爆発』(幻冬舎/刊)では、ベテルギウスが爆発するのかしないのか、噂や最新の研究結果について著者の野本陽代氏が語った一冊。さらに、星の一生、宇宙論の歴史、宇宙の膨張が加速しているなど、「宇宙論」について解説をしていく。

■ベテルギウスとはどのような星なのか
 地球から約640光年と比較的近くにあるべテルギウスは、太陽の約1000倍の直径があり、太陽以外では、点ではなく球として見ることのできる数少ない星の1つ。
 大きく膨らみ、赤く輝いているため、赤色超巨星と呼ばれている。6年ほどの周期で0.0等星から1.3等星まで、明るさを変化させている変光星でもある。太陽の8倍以上の質量をもって生まれた星の多くは、一生の最後に超新星爆発を起こすことが知られているが、ベテルギウスは太陽の約20倍の質量を持っていたと思われ、超新星爆発を起こすことは間違いないとされている。
 「ベテルギウスが2012年に超新星爆発を起こすかもしれない」という噂が天文ファンのあいだでささやかれている。その理由は、ベテルギウスの観測が進み、その大きさの変化や表面の様子が明らかになってきたことだ。昨年、米欧の研究者が3本の論文を発表し、ベテルギウスが大量のガスを放出していることや大きさの急減が示された。ガスの放出によって星の表面が梅干のように膨らんできている。これらが爆発の兆候ではないかと考えられているのだ。

 ベテルギウスがもし爆発したら、地球に影響はあるのか否かを心配する人は多いだろう。ガンマ線やX線が地球に到達して、オゾン層を破壊するのでは…? しかし、その心配はしなくていいようだ。
 ベテルギウスは水素の外層があり、危険な放射が外に放出されるおそれは低く、ベテルギウスの自転軸は地球の方向から20度ずれているため、ガンマ線のビームが地球にやってくることはないとされている。

 ベテルギウスが爆発するのは、いつか分からない。それこそ明日かもしれないし、10万年後かもしれない。正確な予測はできないのだ。
 もし私たちが生きている間に爆発したら、明るさの変化や色の変化など、いまだかつてない宇宙の大イベントを目にすることができるという。帰宅時、ちょっと立ち止まって夜空を見上げ、ベテルギウスを眺めてみるのも良いかも知れない。
(新刊JP編集部)


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