トップセールスマンが行った“取引先との信頼を結ぶための工夫”とは

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 トップセールスマンたちは一体どうして成果をあげることができるのか?
 その秘訣は段取り、つまり準備にあった。どんなことでも準備は大切だ。健康管理から商談で話すことまで、入念に準備を行い、そして商談に臨むのだ。
 では、具体的にはどういったことをしているのか?
 『トップセールスの段取り仕事術』(PHP研究所/刊)の著者で、外資系企業で約20年間、営業マンとして活躍、現在は営業コンサルタントとして様々なセールスマンを指導する小森康充さんにお話をうかがう。前後編でお送りするインタビュー、昨日に引き続き、今回は後編をお送りする。

■取引先との信頼を結ぶための工夫

―小森さんは営業マンとして取引先と信頼を結ぶためにどのような工夫をされましたか?

「基本的には本書に書いてあること全部です(笑)。若い頃は担当していたとある卸店さんに通い詰めていました。訪問回数だけは決して他社に負けませんでしたね。400社くらいのメーカーと取引されている大きな卸店さんなのですが、毎朝早く挨拶しに行くとそこには卸売の営業さんがたくさんいらっしゃっていて、いろいろな方とお話ができるんですね。そして、打ち合わせをして一緒に頑張って商品を売っていきましょう、と。何でもいいと思いますが、お客さんから認めてもらえるような一番の強みを持つことが重要ですね」

―小森さんの若い頃のエピソードをうかがってきましたが、現在の若い世代のセールスマンに不足している部分、逆に強みだと思う部分はどういった点ですか?

「強みは非常に冷静に物事を見る力があると思いますね。ある意味、物静かな雰囲気を感じますが、自分の考えを持って対処するという思考タイプの方が多いように思います。私たちの年代は身体から動くタイプが多かったので、あまり考えずに飛び出して得意先に行くという人がたくさんいました。つまり身体の動きから入るというイメージですね。これはコインの裏表だと思いますが、若いが故のチャレンジ精神やパワーが少しなくなっているように思います」

―小森さんご自身はどういったタイプの若手営業マンでしたか?

「パワーはあったと思いますよ。私は本能的に高い目標を掲げてしまうタイプで、それは性格なのか、信念なのかは分からないのですが、周囲よりも目標を高くしていましたね」

―高い目標を設定するのは出来そうだと思うからやるのですか? それとも、多少無理をしてそういった目標を掲げるのですか?

「私が気にするのは自社の昨年のデータと得意先のデータですね。営業で訪問していると、だいたいではありますが競合他社のトップブランドがどれだけ売っているか、その数値が分かってくると思います。
そして去年の同じ月のお得意先での自社製品の実績と比較し、去年のお得意先での商品の実績が1000ケースだったとして、普通であれば1200ケースくらいですねとなると思うのですが、その商品のカテゴリにおいて自社が3番手で、トップは5000ケースのシェアがあり、そして市場規模は10000ケースあるとします。すると、市場規模からいえば自社の実績である1000ケースは少ないのではないかと考えるんです。そしておそらく5000ケースも不可能じゃないな、と。なぜならトップが5000ケースの実績を残しているからです。
私のできないと思われることにチャレンジすることがワクワクしますし、会社に対する使命だと思うんです」

―本書ですが私は口下手や人見知りのセールスマンこそ読んで欲しいと思いました。口下手だからこそ準備をしっかりする必要があると思います。

「そうですね。何を話していいか分からないということがなくなるはずです。営業マンはアナウンサーと違っていて、上手じゃなくても、自分が伝えたいことを顧客に伝える、顧客のメリットをしっかりと伝えることが大事です。話が下手だからと言い訳するのではなく、本当に売上成績をのばしたい、商品をトップブランドにしたいという願望や目標が強ければ必ず後からついてくるんです。かっこよく言えば、信念ですね。諦めたらもう終わりですから」

―本書の中で特に読んで欲しい部分はどこですか?

「やはり第一章の目標設定をするという部分ですね。『具測達一』、具体的、測定可能、達成可能、一貫性という4つです。それが徹底して出来たら、成果をあげるための5つの習慣の実践して欲しいですね。目標を決めてもマインド的に『どうせダメだろう』では成功しません。マインドが違うと、成果をあげている人に話を聞きに行き、なぜあの人はトップセールスなのか、その理由を分析したりするようにもなりますから、是非実践して欲しいですね」

―本書をどのような方に読んで欲しいとお考えですか?

「特に20代、30代の若手営業マンの方々ですね。若い方はパワーがありますし、企業の中のエンジンともいえる存在ですから。また、若い方に限らず40代や50代の管理職の方々も本書は役立つと思います。特に部下育成などの場面で使って欲しいですね」

―では、インタビュー読者の皆様にメッセージをお願いします。

「この本はもともとP&Gのマニュアルに基づき、私が実際に体験し、成功をしてきた事例をもとにまとめています。現場で使えるように工夫していますから、期待を持って読んでいただきたいと思います。もちろん最初は上手くいかないかも知れませんが、そのときは何度も実践してみてください。まずは楽しく読んで、そして行動を変えていきましょう」

(了)



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