ワンルームに入居する際の注意点―重吉勉さんインタビュー(3)

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 魅力的な不動産投資ですが、リスクがあるのも事実。
 かんき出版から出版されている『中古ワンルームは「東京23区」を買いなさい!』は都内に1万戸の管理物件を持つ賃貸管理会社を経営する重吉勉さんが執筆した一冊で、「リスク」という切り口から、「マンション経営」について解説しています。
 年金制度の破綻という不安を抱えている私たちが、老後に備えるためにすべこととは? また、入居者側はワンルームに入居する際にどこをチェックすればいいのかまで、幅広くお話を聞いてきました。3回にわたってお送りするインタビュー、最終回の後編をお届けします。

■後編:ワンルームに入居する際の注意点

―逆に部屋を借りる側の視点でお話をうかがいたいのですが、ワンルームに入居する際に、気をつけるべき点、注意すべき点はなんですか?

重吉「住まいにあたっての注意点をいくつかあげると、
・建物の構造(壁の厚さ)
(内見は日中に行く事が多く、隣人が不在にしている可能性が高い為、その時は静か。ただ、夜間や休日などを考えた場合、遮音性の高い鉄筋コンクリート造を選んだ方がより安心)
・洗濯機置場、冷蔵庫置場のサイズを計っておく
(無駄な買い替えはできれば避けたい)
・携帯電話の電波はちゃんと入るか?
(居室内は問題なくても、廊下側に移動すると電波が弱くなる場合あり)
・TVジャック、コンセントの位置
(これを把握しておけば、入居後の家具の配置がしやすくなります)
・トラブルが起こった際の緊急連絡先がちゃんと設けられているか?
(夜間、及び土・日・祝は繋がらない場合が多い)
といったことがあげられます」

―不動産の資料には、築年数や延べ床面積、木造か鉄筋かなど、さまざまなデータが掲載されていますが、一番重要視すべきなのはどの部分ですか?

重吉「数あるデータのなかから、どれか一つだけを選ぶとすれば『築年数』になります。築年数を調べて昭和56年以降に分譲された新耐震基準のマンションを選ぶことが大切です。昭和53年に発生した宮城県沖地震の被害をきっかけに、昭和56年に新耐震基準法が制定されました。阪神・淡路大震災や東日本大震災において、旧耐震基準の物件に被害が集中する中、新耐震法の物件の被害はほとんどありませんでした。資産価値を守り、入居者の安全を守る観点からも、新耐震基準の物件を選ぶことをお勧めします」

―最近、中国人の日本への投資が話題となっていますが、この先、外国の方による不動産投資への参入が多くなってくるのではないかと思います。重吉さんご自身の周辺についてはどのような状況になっているのでしょうか。

重吉「外国人の投資家で、特に中国人をたくさん知っているので引き合わせたいという話をいただくこともありますが、私自身はお断りしています。理由は、不動産管理会社として、(物件において)何かあったときにはオーナーさまにすぐに連絡を取るようにしているのですが、なかなか連絡が取れないとなったときに、入居者の方にまで迷惑をかけてしまいかねません。もちろん弊社にも、海外から日本に来て働いている従業員はいますから、彼らが対応できないこともないですが、日本の投資家の方のニーズが高いですから」

―本書のタイトルについてうかがいたいのですが、「東京23区」は非常に高いイメージがあるのですが、どうして狙い目なのでしょうか? また、東京23区の中でも特にどの地域というのはありますか?

重吉「日本は人口減少時代に突入し、今後は東京でも例外ではありません。人口の減少は賃貸需要の減少に直結します。つまり、貸手市場から借手市場になり、さらに東京であっても賃貸需要がいつまでも堅調とはいえなくなったのです。これからは東京であっても都下よりは東京23区、そして駅から10分以内の物件、さらに木造アパートよりは分譲タイプのワンルームマンションというように競争が激しくなるはずです。
確かに、東京23区の物件は他のエリアに比べれば割高なイメージがあるかもしれませんが、日本のなかでも空室リスクを最も押さえることができるので、長期的な視点で判断すれば有利な投資先だといえます。また、中古のワンルームであれば、800万円〜1,600万円と新築に比べて手頃な価格で投資することが可能です」

―本書をどのような方に読んで欲しいとお考えですか?

重吉「本書ではマンション経営を『リスク』という切り口でご紹介していますが、そのほかにも東京・中古・ワンルーム経営の魅力や地震に強い物件選びのポイント、マンションの効率的な増やし方、東京・中古・ワンルームを使った相続・贈与などを紹介しています。豊かな老後を過ごしたいと願われている方、老後に不安を抱いているのに、具体的な行動に移せていない方、マンション経営に興味はあるけれど、リスクばかりが目に付いて一歩踏み出せない方など幅広く手にとっていただければ幸いです」

―最後に、読者の皆様にメッセージをお願い致します。

重吉「本書では、不動産会社がこれまであまり語ろうとしなかった「リスク」と「コスト」を徹底解剖し、賃貸管理会社を経営してきた22年の実績と、客観的な数字をもとに「東京・中古・ワンルームは買いかどうか」をわかりやすく解説しました。リスクを放置するとクライシス(危機)につながるということは、過去の歴史が物語っています。不動産投資もやり方を間違えると、悲惨な結果を招く恐れがあるからです。
当社が管理する1万戸の賃貸成約状況をまとめたレポートから数値、過去の経験、日々起きている状況、そして建物の老朽化と人口減少をにらんで将来の仮説を立て、リスクをコストに真正面に向き合い、数値化してシミュレーションを試みました。そのうえで、私が出した結論が「中古ワンルームは東京23区が買い」というものです。これらはすべて私の実体験に基づいた内容になっています。
この本が不動産投資を考える上でのヒントになり、老後の不安を解消し、安定した将来の生活に向けての確かな一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです」

(了)



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