「The rising son」

 全豪オープンで準々決勝進出の快挙を成し遂げた日本人選手を、地元紙は昇る太陽(sun)と男子(son)をひっかけて、こう表現し絶賛したという。新年にふさわしく日の出を見るような興奮を味わわせてくれたのが、錦織圭である。

 全豪で日本男子がベスト8入りしたのは80年ぶり、4大大会(グランドスラム)では1995年ウインブルドン選手権の松岡修造以来17年ぶり、といった記録は各メディアで取り上げられたので、別の角度から今回の錦織の快挙を検証してみた。

 まず、このレベルに達することの大変さ。テニスはあまたあるスポーツの中でも競技人口が多い人気スポーツだ。その莫大な競技者の中から、頂点近くに上り詰めることがいかに大変かをまず見ていこう。

 もっともこの競技人口というのがクセモノで、世界規模で見ると正確なデータはない(どのレベルまでを競技者とするかの基準もないし、各国の競技団体のデータ収集もあいまい。各競技を国際的に統括する団体IFが当該競技が盛んなことをアピールするためにデータに下駄をはかせることもあるからだ)。

 ただ、普通に考えれば世界で最も競技人口が多いのはサッカーだろう。一説によると2億5000万前後の競技者がいるらしい。その競技者たちが考える最高到達点は、最もレベルが高いUEFAチャンピオンズリーグに出場する強豪クラブのレギュラー。該当するのは10クラブ前後、人数は100人ほどで、この位置に上り詰める確率は競技人口から見て2500万分の1だ(ここに日本の長友佑都が入っているのは誇らしい)。

 一方、硬式テニスの競技人口は1億人以上といわれる(“以上”というのがデータのあいまいさを表わしている)。1億人とすると、ベスト8に入るのは1250万分の1の確率になる。

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