勝ち組中国人の“ビジネスの掟”

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 躍進を続ける中国経済。
 その中国経済を世界第2位まで引き上げた中心層こそが「新華僑」と呼ばれる改革開放以降に中国を離れ、世界を股にかけてビジネスを展開している中国人たちだ。
 小さな商売からグローバルな規模のビジネスまで、積極的にその国、そのエリアの経済圏に関わり、より上のレベルのビジネスへとアグレッシブに展開してきたのだ。
 
 中国の検索エンジン最大手であり、世界で最も成功したインターネット関連事業の一つとして名をあげる百度(バイドゥ)公司の日本駐在首席代表、バイドゥ株式会社の副社長を務める陳海騰氏は、著書『新華僑のスゴい仕事術』(徳間書店/刊)で、中国人たち、特に「新華僑」たちのビジネスについて、「彼らのビジネス手法は日本人のビジネスマンと大きく異なる」と指摘する。
 では、新華僑たちのビジネスの掟とはどのようなものなのか?

■成功している人と仕事をしろ
 陳氏のもとにはたくさんの成功を志す人々が集まるが、折にふれ「ビジネスを成功させることは何か」という質問をされるという。そのとき答えるのが「その分野で一番成功している人と一緒に仕事をする」ということ。成功している人のところに成功している人が集まり、情報がありチャンスがあるのだ。
 ただ、自分が何もせずに成功している人と組むことはできない。自分自身が成功者となり相手に仕事をしたいと思わせること、そしてもう1つは「唯一無二の自分の『核』を持つ」ことが大事だという。大切なことは自分の専門性がどこまで人に求められ、周りに人を呼び寄せるのかということをしっかりと考えることが重要なのだ。

■苦労を当たり前と思え
 陳氏は「今の日本の若者は仕事が好きという人があまり多くないように見られる」といい、警鐘を鳴らす。苦労は早めにしておくべきだというのだ。年をとってから苦労をしないようにするには、若いうちにひとつの仕事を極められるかどうかだという。そうしたアグレッシブさがなければ野心を前面に押し出してビジネスを進める中国人に勝つことはできない。
 ハングリー精神を持ち続け、苦労を当たり前と思い仕事に没頭することが大事だ。

■スピードの中国、手続きの日本
 日本と中国のビジネスの大きな違いのひとつが、スピードだ。中国のクライアントとのアポイントは「来週来てください」と言われると、それなりの提案を携えて、先方に出向く必要がある。一方、日本の特に大企業では決済が下りるのに時間がかかり、手続きが重んじられる。
 日本のやり方は正確で間違いがおきにくいが、スピードを重んじる中国にはどうして遅れをとってしまう。その差が成長にもつながっているのではないだろうか。

 なぜ中国人たちが海外で活躍できるのか、その理由が本書に詰まっている。著者の陳氏自身が日本と中国のビジネスをつなぐ役回りを果たしているなかで感じたことがつづられており、危機感を覚える日本人のビジネスパーソンも多いだろう。

 また、本書に対してSBIホールディングスのCEOである北尾吉孝氏は「中国ビジネスを始めたい方には必読の1冊です」と、そして伊藤忠商事の小林栄三会長は「今の中国を理解するのに最適の一冊」と賞賛の声を寄せている。
 中国ビジネスの現実を写し出した本書。おそらく中国ビジネスの跳躍の要因を知ることが、今後の日本のビジネスが世界で通用していけるかどうかを決める一つの要素になるのではないだろうか。
(新刊JP編集部)



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