無頼派作家が語る“大人のあり方”

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 大人というものの定義は難しい。成人式を迎えれば大人かと言えばそうでもないし、年齢を重ねているだけでも大人とは言い難かったりする。
 そんな大人としての在り方を語った一冊がある。『続・大人の流儀』(伊集院静/著、講談社/刊)だ。ベストセラーとなった『大人の流儀』の第2弾であるが、お行儀の良いマナー本の類とは一味違う。
 酒飲みでギャンブル好きの遊び好き。そんな著者自身の過去の体験や日々の生活から思う、大人としてあるべき姿を語ったエッセイなのである。
 今回も氏の舌鋒は冴え渡っている。押しが強い言い分が並んでいるが、これが妙に痛快で心地いい。

■「鮨屋に子供を連れていくな」
■「相撲取りに社会常識を求めるな」
■「銀行家にハッキリ言っておく」

 などは、無頼ぶりが存分に発揮されたものだろう。かと思えば、

■「大人が口にするべきではない言葉がある」
■「どんな手紙がこころを動かすのか」
■「幸福のすぐ隣に哀しみがあると知れ」

 といった、日常生活で忘れてしまいがちな、大事な心遣いにも触れる。
 辛口でズバリと斬りこんでくる語り口は、軽妙さの中に含蓄と重みが感じられるし、氏の体験談はそれだけで面白いものばかりだ。
 各章のタイトルが「風花雪月」となっているのも著者らしい。日本語の花鳥風月に相当する中国語だが、マイナーな麻雀のローカル役でもある。花好きで麻雀好きな氏の遊び心だろう。

 最後には、仙台在住である著者が、先の東日本大震災直後の生活を綴っている。
 震災から一年が経とうとしているが、改めて被災地以外の人間に何が出来るかを考える機会にもなるだろう。
(ライター/石橋遊)



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