さる1月20〜24日、世界のインテリア・ライフスタイル関連業界関係者が注目する国際見本市「メゾン・エ・オブジェ2012年1月展」が、パリ・ノール見本市会場で開催された。今回は、クリエーターズ・オブ・ザ・イヤーに、ハンドメイドに特化したブラジルのカンパーナ兄弟が選ばれ、エコが世界の重大関心事となっていることから、柔らかいボール紙のオブジェで空間を覆うインスタレーションを展開。他方で、新進気鋭のクリエーターが結集した「ナウ! 生活空間を彩るデザイン」のクリエーター・オブ・ザ・イヤーには、世界のクリエーションに刺激を与え続ける日本の吉岡徳仁氏が選ばれた。吉岡氏は、音楽の振動によって結晶が成長するクリスタルペイントのインスタレーションを展開、真っ白な空間の中で、偶然が生み出す新たな自然の姿を表出した。

「メゾン・エ・オブジェ2012年1月展」のトレンドは、統一テーマ「CRAZY」のもと、3つの世界観が発表された。「CRAZY」という言葉は、若干芸がない感じもするが、まず、ヴァンサン・グレゴワール+ネリー・ロディは、「Sweet Freeks(怪物のような美しさ)」として、色彩とフォルムが乱舞する不気味なカオスを演出。これは、日本のアパレル界でライフスタイルに取り組む若手デザイナーたちとも通じるもので、ある意味、日本の方が進んでいる世界かもしれない。また、フランソワ・ベルナールの「art’keting(アート狂)」は、マーケティングのもじり。生活者が芸術家となり、住まいを一個の芸術作品としてしまう世界は、三つの中では一番おとなしく見えるが、プロの価値観を真っ向から否定した、過度の個性化、時代錯誤、素材の衝突……、でたらめでありながら、これもアリだとも思える。エリザベス・ルリッシュの「dream box(優しい狂気)」は、淫売窟を思わせる怪しげなドアを開くと、様々なクリエーターによる、見たこともない空間が現出している。
出展者としては「アンドリュー・マーチン」が頭抜けた印象を与えた。バーナム&ベイリーのクラシックなポスターをプリントしたアートも商品で、描かれている人物の胡散臭い表情が笑いを誘う。このほかの出展者としては、「バカラ」「ジャカールフランセ」「カサマンス」「ロロピアナ」「デザイナーズギルド」「サンゲツ」「マナ」などが注目された。

なお「メゾン・エ・オブジェ」の詳報はインテリアビジネスニュース(本紙)2月25日号にて掲載。