19日タイ・プレミアリーグ、BECテロ・サーサナFCに所属する元U-19日本代表財前宣之(35歳)が引退することを発表した。 
 引退にあたり、財前は自身のブログで以下のコメントをしている。 

 「2011シーズンをもって引退することを決めました。 17年間のプロ生活はいろいろありましたが、辛い時の方が多かったかな…
 
 若いころに三回の大きな怪我をし、まさか自分でもこの歳まで選手でいられると思いませんでした。 本当にいろんな方々に支えられここまでやってこれたと思います。 完全燃焼です。 
 自分は幸せものです。 自分を応援してくれた方々に感謝の気持ちでいっぱいです。 今後とも暖かく見守っていただければ嬉しいです。」  

 財前は、元日本代表の中田英寿、松田直樹らと同世代の選手で、中田らと同様、ジュニア、ユース(U-19)時代までの各世代で日本代表に選出され、将来を嘱望されていた選手である。 
 
 1993年に日本で行われたU-17W杯では、中心選手としてU-17日本代表のベスト8進出に貢献。大会ベストイレブンにも日本人として唯一選出されるなど活躍。1995年にヴェルディ川崎のトップチームに昇格、直後にイタリアの名門SSラツィオへと留学。その後1996年にスペイン1部のCDログロニェス(現在は2部に降格)へ期限付き移籍が決まり、日本人初のスペイン1部リーグ出場なるかと思われていた矢先、膝の靭帯断裂の大怪我を負い、ビックチャンスを前に涙を飲んだ。 
 
 怪我が癒えた後、クロアチアのHNKリエカへの移籍を挟み、日本へ帰国。ベガルタ仙台で早くから10番を背負い、チームを牽引していたが、その後も古傷の靭帯断裂を経験。仙台を離れた後、モンテディオ山形へ移籍し、J2からJ1への昇格に貢献するなど活躍したが、2009年にモンテディオ山形を戦力外となると、2010年からはサッカー後進国であるタイに活躍の場を移していた。 
 
 財前は、サッカー選手生活の晩年を、アジアにおけるサッカー先進国、日本での経験を持って、タイのサッカー界の未来に捧げていた。