【うさぎドロップ】「漫画作品のアニメ化・ドラマ（実写映画）化」について考える。

【清水サーシャのアニメ考】第15回「うさぎドロップ」で心暖まりました!

（画像:amazon.co.jpより）
(C)2011宇仁田ゆみ/祥伝社/アニメ「うさぎドロップ」制作委員会

平成23年7月期TVアニメ「うさぎドロップ」がフジテレビその他で放映されました。

本作は宇仁田ゆみさん原作コミックの祥伝社「FEEL YOUNG」に連載された同名漫画作品、2011年8月には映画化もされました。河地大吉（CV:土田大さん）と鹿賀りん（CV:松浦愛弓さん）との日々の生活を綴った物語です。

※「うさぎドロップ」の作品のニュアンスとしてはTVアニメ「パパのいうことを聞きなさい!」（原作小説　松智洋さん）に近いような感じがします。両作品とも両親を失った小さい子供を親代わりに育てるという内容で片方の作品が好きならばもう片方も好きになると思われます。

「うさぎドロップ」もそうですが「テルマエ・ロマエ」等、漫画作品からアニメ作品とTVドラマ（実写映画含む）化がされる場合も数多いです。

しかしながら、一口に漫画作品と言っても何故かアニメ化されるけれどTVドラマ（実写映画含む）化されない、又はその逆も多くあることに気付く方もいると思われます。

そこで今回の「清水サーシャのアニメ考」では「漫画作品のアニメ化・ドラマ（実写映画）化」について考えたいと思います。
漫画作品→アニメ化の場合漫画作品からアニメ化というケースは黎明期の「鉄腕アトム」以降も頻繁にありますが、その理由として次のような事が言えます。

?元々が漫画作品なので絵やストーリー等がアニメ作品として流用しやすい（動画等の追加で比較的容易に対応が出来る）。
?漫画作品のファンによる需要が一定水準以上安定して見込める。

このうち?は漫画作品→ドラマ（実写映画）化の場合も当てはまると思われますが、?の場合は漫画作品とアニメ作品との相性が良いという特質があると思われます。

※例えば、漫画作品との相性という問題で言えば「鉄腕アトム」「鉄人28号」の実写ドラマ化もあるのですが、残念ながらアニメ版と比較して相性が悪い印象があります（もちろん実写ドラマ化としての面白さもあります）。
漫画作品→ドラマ（実写映画）化の場合漫画作品→アニメ化に対して漫画作品→ドラマ（実写映画）化も数多くありますが、その理由として次のような事が言えます。

?アニメ作品と比較すると特撮系ドラマを除き対象年齢が高い作品のドラマ（実写映画）化が多い。
?漫画作品ならではの表現・キャラクターが少ない作品が多い。

?ですが、特撮系ドラマ（例　仮面ライダー・ウルトラマン等）の場合を除くと主な視聴者の年齢層が高い場合が多いという意味です。これはアニメ作品の場合より概ねドラマ（実写映画）のほうが視聴年齢が高くなる傾向にあります。

※おそらく漫画作品を原作としていないドラマ（実写映画）の場合と傾向は近いと思われます。一般的なアニメ作品とドラマ（実写映画）の視聴年齢層を比較した場合も同様（というよりアニメ作品の視聴年齢層が低い場合が多い）といえます。但し、特撮系ドラマの場合のみアニメ作品と視聴年齢層はほぼ同じ（むしろ低い場合もある）と言えます。

?は分かりやすく言えば、漫画ないしアニメ以外では表現が困難な作品、例えば、特撮系ドラマを特撮抜きでドラマ化することが困難な場合等が当てはまります。

※一般的なドラマ上では表現が困難なキャラクター（例　漫画「ドラえもん」の登場人物「ドラえもん」を特撮抜きで表現すると言うのはおそらく困難では?）等が挙げられます。

逆にアニメ作品には無い表現方法がドラマ（実写映画）にはあると思われます。例えば、「東京ラブストーリー」「AGE35」「あすなろ白書」等で有名な紫門ふみ先生の漫画作品はドラマ化されていますがアニメ化は何故かされていません。これはこれらの作品群が現実にありえそうな状況を前提としているのでドラマ化のほうがリアリティある表現になるため、と考えられます。

※アニメ作品になったとしてもそれ相応に面白くなりそうですけど。

もちろん漫画作品のアニメ化・ドラマ（実写映画）化の両方に適している作品もありますが、本当に良い作品ならばどんな表現方法（アニメ・ドラマ（実写映画）でも良い作品が生まれると考えたいものです。


【ライター:清水サーシャ】