相撲協会が2年後の平成25年11月末までに移行を目指す公益財団法人化で、最大の関門になっている年寄名跡問題が紛糾している。
 「税金面などで優遇される公益財団法人化を目指すには、高額で譲渡されている個人名義の年寄名跡が公益性という点でどうしても引っかかる。これを修正するため、協会内に設置された公益法人制度改革委員会(委員長=放駒理事長)は、親方たちが退職する際に年寄名跡を協会に返上し、その代わりに退職金とは別に一定額の功労金を上乗せするという案を取りまとめ、親方たちに提示したんです。年寄株の協会一括管理化で、これ以外に問題をクリアする方法はないと言い切っています」(協会関係者)

 とはいえ、この案も問題点は多い。年寄名跡は105もあり、協会のフトコロ具合から一定額の功労金は4、5000万円が限度、と言われているが、親方たちの中には3億円以上支払って年寄名跡を入手した者もいる。この億単位の差額をどうするのか。また、名跡の持ち主は退職するときに後継者を推薦できることになっているが、最終決定は理事会がする。しかし、その際の決定基準はどうなっているのか、などだ。
 「後継者指名権も一つの利権なので、中には高額の推薦料を要求する者が出てくるかもしれない。協会主脳は、そういうヤカラに厳しいペナルティーを課す、と言っているが、裏でやられると手の出しようがない。何百年も続いてきたものを一気に変えようというんだから、大変な作業なんですよ」

 と協会幹部は話しているが、突きつめれば協会よりも親方たちの流す血の方が断然多い。このため、いくら協議を重ねても親方たちの合意をなかなか得られないのだ。
 「監督官庁の文科省から年内に改善方針を決定するように、と厳しく言われているので、協会も必死。現執行部には任せられないので、来年1月の役員改選で新理事長が誕生するまで待とう、という親方も出て、年内にまとまるメドはついていません」(担当記者)

 今年も大相撲界はトラブルに始まってトラブルで暮れようとしている。