黒田がヤンキースと契約合意。単年1100万ドル(約8億5千万円、昨季1200万ドル)。しかし本命ボストンと思っていたのでニューヨークの黒田は驚き。 
 
 条件面ではヤンキースを上回る球団もあったようだが、どういった風に天秤が動いたのか。金銭面よりも世界一を狙える球団を希望との報道もあったが、生半可な覚悟ではない。なんといってもヤンキースなのだ。昨年ドジャースでも重圧から不眠に苦しみ、病院で「強度のストレスが原因」と診断されたらしいが、更に茨の道を選んだことになる。 
 
 ヤンキースは3年連続19勝以上のサバシアがエースとして君臨。この後に昨年16勝4敗のノバ、トレードでシアトルから獲得した22歳のピネダ(9勝10敗も防御率3.74、WHIP1.10)が続くが、この二人はキャリアが浅い。更にAJバーネット、フレディ・ガルシア、フィル・ヒューズと続く。 
 
 万全ではないし、昨年メジャー1年目だったピネダにはサポートも必要だろう。そうは言っても黒田が簡単にローテーションを守り続けられる布陣でもない。打高投低の東地区へと移り、黒田の数字がどれほど下がらずに済むかが鍵となる。ゴロ投手であるという点では期待感もあるが、繋ぎとしての獲得という印象も受ける。 
 
 もう一つのファクターだった家族に関しては、ロサンゼルスの自宅に残して単身赴任という報道もあった。来季は5年目、二人の娘の年齢から言っても、簡単にオフの日本復帰を決断できるともいえないのではないだろうか。 
 
 黒田は36歳。いずれにせよ、彼のキャリアで最大の挑戦となるシーズンとなるだろう。