ちょうど16年前(1996年1月)、スタンフォード大学の大学院生だったラリー・ペイジとサーゲイ・ブリンは検索エンジン「BackRub(バックラブ)」を開発しました。これは、一つひとつのウェブページの重要度をリンクに基づいて判断するというもので、その成果を事業化して 1998 年に創業したのが現在のGoogleの始まりでした。

 以来、Googleは急速な成長を遂げてきました。最初は1つの言語の検索だけを手がけていましたが、現在は各種広告やウェブ・アプリケーションを含む多数のサービスを、膨大な数の言語で提供するまでになりました。学生2人が大学寮の1部屋で始めた取り組みが、今では2万人の社員を抱えるようになったのです。

 この間、たくさんのGoogleに関する書籍が出版されてきましたが、昨年末に発行された『グーグル ネット覇者の真実』は、これまでのGoogle本とは一線を画しています。

 その理由は、著者のスティーブン・レヴィがGoogle社内で自由に取材することを許された初めてのジャーナリストだから。それだけに、過去の書き手が描き出すことができなかった、グーグラー(グーグルで働く人たち)の日常的なやり取りや意思決定のプロセスについて、詳細に記しています。

 社員と数百時間も行動を共にし、新サービスを開発中のエンジニアたちの肩越しに作業内容をのぞき見ることを許されただけでなく、製品戦略会議やその他の重要な会議や懇談会に立ち会うことさえ許可されたレヴィは、ネットで莫大な利益を上げるGoogle社の内部に迫っていきます。これまでブラックボックスとされてきたGoogleアドワーズ(検索連動広告)の秘密までも、レヴィは内側からの取材で解き明かしています。

 また、スカイプの買収を検討していた際に行われた社内政治的な駆け引きでは、反対派が幹部会議で買収案をつぶすために推進派にスパイを送り込んでワナにはめるなど、生々し事実を描き出すことに成功しています。さらに、マーク・ザッカーバーグが立ち上げたFacebookの台頭で初めて"追う立場"に立たされた際は、SNSの分野で反撃しようと試みますが、何をやっても空回りする様子をスピーディーに描き、Google社内が混乱していた様子が、臨場感を持って伝わってきます。

 Gメールやブックサーチで浴びた思いがけない批判の嵐(個人情報保護や著作権侵害に対するクレームなど)、中国進出での失敗などについても内側からの視点で分析し、永遠に頂点に君臨するかに思えたGoogleの負の部分についてまで、当時の担当者の証言などをもとに世に明らかにしたことは、これまでの書籍ではできなかった大きな功績であることに間違いありません。

 下記のサイトでは、プロローグ「Googleを『検索』する」(全11ページ)を無料ダウンロードでき、試し読みすることができます。


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『社内での自由な取材を初めて許されたジャーナリストがGoogleの内部事情を明らかに』
 著者:
 出版社:阪急コミュニケーションズ
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