初夢で見ると縁起が良いと言われている「一富士、二鷹、三茄子」。そんな初夢は、大晦日から元旦にかけての夜に見た夢をさすといった説から、元旦から2日、または、2日から3日にかけて見たものをさす説まで様々。現在、最もポピュラーなのは、「元旦から2日にかけて」だそうです。

 お正月から早2週間。あなたは今年の初夢を覚えていますか? 1年の元凶を占う意味で、良い内容の夢は記憶にとどめておきたいもの。また、人によってはもう一度見たい夢があったりするのかもしれません。映画やドラマのように、好きな時に好きな夢を見ることができれば、睡眠がより一層楽しいものになりそうです。


 第146回直木三十五賞候補作となった恩田陸さんの作品『夢違』には、夢を映像データとして保存することができるという技術「夢札」が登場します。特別な記録ディスクに夢を保存しておくと、何年前の夢であっても見ることができるのです。

 物語の主人公・浩章は、夢を解析する「夢判断」を職業としています。ある日、浩章に届いた奇妙な依頼。その内容は各地の小学校で頻繁に発生している集団白昼夢についてでした。

 ある小学校の昼休みに、事務職員の女性が尋常ではない子供の泣き声に気づく。それはひきつったような異様な声で、子供たちは、次々と校庭に出てきてうずくまるのです。そうしたパニック状態はすぐにおさまりましたが、不思議なことに、皆、教室で何があったのか覚えていないのです。唯一、ヒントになりそうな証言は、ある女子生徒の「何かが教室に入ってきた」という言葉でした。「誰かが教室に入ってきた」ではなく、「何かが教室に入ってきた」......。

 狂乱に陥った子供たちの「夢札」を視ることになった浩章。果たして、子供たちが見たものは何だったのでしょう。

 「夢が可視化された社会」という特異な設定のなか、人はどこまで"視る"ことができるのか、恩田さんの新境地ともいえる幻視サスペンスです。4回目となった直木賞の候補。本屋大賞や山本周五郎賞に続く受賞となるのでしょうか。



『夢のなかで見た映像をデータ保存できる技術が登場、恩田陸『夢違』』
 著者:
 出版社:角川書店
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