「両立」を目指したくても目指せない

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オトコは仕事、オンナは家庭――。そう考える20代女性が一部で増加しているらしい。滋賀県が県内の20代男女を対象に調査したところ、「男性は仕事をし、女性は家庭を守る」という考え方に肯定的な20代女性は、2011年の調査で33.1%を占めたという。

09年の38.2%からは少し落ち着いたものの、05年の23.1%と比べると10ポイント増。子どもが小さいうちは「保育園などに預けず、母親が面倒を見るべき」とした20代女性も、33.9%いた。

不景気で「家の方がラク」だと分かったのか

性別による役割分担意識は、もともと女性が否定的で、年配の男性ほど保守的になる傾向があった。内閣府「男女のライフスタイルに関する意識調査」(平成21年)によると、「オトコは仕事、オンナは家庭」に賛成する割合は20代女性で36.6%、40代女性で30.7%だが、60代男性では52.6%にのぼる。

若い女性の保守化が進んでいるのだろうか。滋賀県では、仕事と家庭を両立して社会で活躍する「手本となる人」が周囲にいるかどうかが意識に影響していると見て、詳しい分析を進めるという。

しかし、ネット上には、お手本さえいれば「両立」できるようになるとは到底思えない、という冷ややかな意見が多い。

「こんなブラック(会社)と肉体労働しかない就職環境じゃあなあ」
「不景気でおいしい仕事がないので、稼ぎのいい男に外で働かせて、家で食っちゃ寝したいってことですね、わかります」

要するに、グローバル化の影響で、給料が安くてキツい仕事しか残っていないので、「やっぱり家にいた方がラク、と逃げた女性が増えただけ」と揶揄しているわけだ。

1世帯あたりの子どもの数が減り、機械化で家事の負担が軽くなっているので「専業主婦も昔と比べたらずっとラクになってるはずだ」と指摘する人もいる。

もっとも、仕事がキツく収入が減っているのは男性も同じ。妻だけがラクできる状況ではないが、地方経済が冷え込み、働きたくても仕事がない。「手本となるような女性は地方では生き残れない」というあきらめの声もある。

全国の20歳以上を対象とした内閣府調査によると、「オトコは仕事、オンナは家庭」に賛成する人は、09年で41.3%と県の調査より高いものの、92年の60.1%から一貫して減少している。この傾向は今後も続くのか、それともいつか滋賀県のような傾向に反転するのだろうか。