初監督作品『In the Land of Blood and Honey』のプロモーション活動を展開するアンジェリーナ・ジョリーを見て、1つのことがわかった。それは、「アンジェリーナは自分の作品の背景をとても気にかけている」ということだ。

この信ぴょう性を探る中で、アンジェリーナが映画の舞台となったボスニアとセルビアで実際に撮影をしたことが挙げられる。彼女はさらに、ハリウッドのスーパースターではなく、あくまでも地元の俳優をキャスティングした。これには、彼女の長年に渡る人道的な活動も無関係ではないだろう。

アンジェリーナといえば、かつてはパーティーに明け暮れたり、元夫の血を入れた小瓶を持ち歩いたりといったワイルドなイメージがあった。だがそんな彼女の人生を変えたのは、荒廃したアフリカの戦闘地帯を訪れたことだという。

「当時の私は若くて、大胆だった。だけどそれを使いこなしているという感じはなかったの。私は世界のことをわかっていなかったし、年を重ねるにつれて得るはずの物事に対する見方もなかった。そして私は旅に出て、あれこれ疑問を持つようになったの」

「11年前のことだった。私は初めて(アフリカの国)シエラレオネに行ったの。戦闘地帯に足を踏み入れるのも初めてだった。難民キャンプを訪れ、そこでかなりの衝撃を受けたの。突然、世界が変わってしまった気がした。世界に対する自分の理解が変わってしまったの。それからはどんなことがあっても、自暴自棄になったり、自己憐憫に陥ったりしていないわ。これからもそうなることはないでしょう。私は毎日を、家族に、そして自分に与えられたチャンスに感謝して生きているの」

アンジェリーナはその後も国連の親善大使として、戦争の被害を受けた国を積極的に訪れている。2002年にはタイの難民キャンプを、2003年にはタンザニアを、そして2004年にはダルフール(スーダン南部の地方)も訪れた。2006年には同じくアフリカのチャドを、さらに2006年にはハイチにも足を運んでいる。昨年10月には、独裁政権が崩壊したばかりの北アフリカはリビアにも向かった。彼女はその後、10年に渡る国連での活動をたたえられている。

<The Orange County Register>でのアンジェリーナのインタビューの続きはコチラからどうぞ(英語)。

昨年12月からは『In the Land of Blood and Honey』が全米公開されているアンジェリーナ・ジョリー(日本公開は未定)。今後も、キャリアそして私生活において世界に目を向けていくのは間違いないだろう。