アイディアファクトリーが語る、『オトメイト』作品製作背景と乙女の″萌え″トレンド

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 今やエンタメ業界からも注目される年末の一大イベントとなった「コミックマーケット81(コミケ81)」(2011年12月29〜31日)の参加者総数が50万人を記録した。震災・超円高により海外から遠征する参加者や「本番の最終日」と呼ばれる3日目の来場者数は減少したものの、女性向けサークルが数多く参加・出展した初日と2日目の動員数はトータルで昨年より1万人増加したという。

 ところがゲーム好き女子にとって、今年の冬の本命は、コミケ会場の外にあった模様。新宿マルイワン(2011年12月30日に終了)と京都マルイ(1月6日〜9日まで)にて開催の、女性向け恋愛ゲームブランド「オトメイト」(アイディアファクトリー株式会社)のイベント『薄桜鬼 冬の市&オトメイト ウィンターマーケット』だ。新宿マルイワンでは、シュシュやバッグチャームなどが入った数量限定の「トレンドグッズセット」が早くも完売し、異例の追加再販となった。また、同社の人気タイトル『薄桜鬼』は居酒屋チェーン・はなの舞とコラボメニューを展開、「隊士カクテル」のほか「薄桜鬼コース」までそろえた充実ぶり。まさに「オタ友(オタク友達)オンリー女子会」対応と呼べそうだ。

 乙女ゲーム業界の寵児となった「オトメイト」は創立以来、半期に3〜4作品のハイペースで女性向けゲームをリリースしているブランドだ。中でも2008年9月の発売から現在もなお人気の高い『薄桜鬼』シリーズは、業界に新風を吹き込んだだけでなく、コミック・小説・ドラマCDなどのメディアミックス展開や、2010年のTVアニメ『薄桜鬼』『薄桜鬼 碧血録』放映によって、ゲームファン以外にも広く認知されるタイトルとなった。また、2012年2月には最新作『薄桜鬼 幕末無双録』(PSP対応)の発売も控えている。

 今回は「オトメイト」作品を手がけるプロデューサー氏に、乙女ゲーム業界の動向から女性の萌えの変遷、そして今後の展望と勝算をうかがった。


■メディアミックスが大きく当たった『薄桜鬼』

――『薄桜鬼』シリーズ以前と以降で、乙女ゲーム市場を取り巻く環境は変わったのでしょうか?

IFプロデューサー氏 身近なところだと、弊社から発売される乙女ゲームのタイトル数が増えましたね(笑)。というのも、それまで弊社は多くの乙女ゲームをコンスタントにリリースしていたのですが、他社様からも多くの乙女ゲームが開発されるようになり、それに比例して弊社のリリースタイトル数も増える結果になりました。よく、業界の転機として『薄桜鬼』が取り上げられるのですが、単純に乙女ゲームという市場が一般に認知され始めた時期に『薄桜鬼』を発表できたという幸運も手伝っていると思います(笑)。"オタク志向"の女性層が徐々に世間に広まってきた時期もこのあたりだと思いますし。

――「オトメイト」の歴史や、女性向けゲームブランドを立ち上げたきっかけを教えてください。

IFプロデューサー氏 2005年に発売されました『ふしぎ遊戯 玄武開伝 外伝 鏡の巫女』が、弊社で最初の女性向けタイトルですね。その後『星の降る刻』をリリースし、だんだんと女性向けゲームのノウハウや市場がわかってきました。そして『緋色の欠片』がリリースされます。『緋色の欠片』も、初めはまずまずのセールスでしたが、同タイトルのファンディスクの発売をきっかけに人気が伸びてきた印象です。そこからタイトル数を着々と増やしていき、その中で『薄桜鬼』が発売され、現在の体制になりました。

――「オトメイト」ブランドが得意とするゲームジャンルや世界観、他社ブランドとの差別化で気を付けている点は?

IFプロデューサー氏 「オトメイト」としては、高品質のアドベンチャーゲームをコンスタントにユーザーに供給することに気をつけています。また『薄桜鬼』シリーズや『緋色の欠片』シリーズをはじめ、長くユーザー様から愛されるシリーズタイトルが多くあるのも特徴だと思います。