『第53回日本レコード大賞』は、AKB48『フライングゲット』が受賞した。今回は受賞候補を辞退した大賞3連覇のEXILEが登場するなど意外な展開で盛り上がる中、AKB48が念願の大賞をゲットしたのだ。

昨年、レコード大賞を逃したAKB48は終了後に廊下で涙したという。2011年12月30日に新国立劇場中劇場から生放送された『第53回日本レコード大賞』では、そのAKB48がついに大賞を受賞した。

受賞が発表されると、ステージに上がるまでにメンバーは顔を手のひらで押さえて涙していた。昨年の思いが蘇ったのだろう。

ステージに上がると前田敦子、高橋みなみが受賞の喜びと感謝の気持ちを涙声で伝えた。続いて司会の堺正章から「大島さん! 客席でコールされるまでの気持ちはどうだったですか?」と尋ねられて、大島優子が「フライングゲットは総選挙で選ばれたメンバーの曲なのでファンの方の曲といっても過言ではない。本当に感謝しています」とコメントしたのだ。

高橋みなみらも涙をこぼしていたが、大島優子は特にボロボロと涙を溢れさせており、メイクが流れて黒い涙となった。レコード大賞では、過去に和田アキ子が『あの鐘を鳴らすのはあなた』で最優秀歌唱賞を受賞した際に歌いながら流した涙が“黒い涙”として伝説化しているが、それを思い出させるものだった。

AKB48はこの日、候補曲と大賞を取ってからの2回『フライングゲット』を披露してくれたが、明らかに生歌であることが分かったのだ。正直なところ、これまで歌番組や音楽祭で彼女達がパフォーマンスする際には“口パク”疑惑も手伝って「生歌」を実感しづらかったのである。そんな中で、今回は各自の歌声の違いがハッキリと分かり生歌であることが伝わった。

それは新鮮な感覚であり、“口パク(と思われる)”従来のパフォーマンスよりも好感が持てるものだった。これを機に、今後も生歌重視で頑張って欲しいと思えたのだ。

ところで、今回のレコード大賞の受賞候補を辞退していたEXILEが、後半でスペシャルゲストとしてパフォーマンスを披露したのには驚いた。様々な事情もあるのだろうが、AKB48が大賞を受賞できたのは彼らが辞退したからという説もある中で、目の前でパフォーマンスするのも釈然としなかった。

それを差し引いてもAKB48が大賞に選ばれた時の感動の涙と、貴重な生歌は見ごたえあるものだった。AKBパワーで今後の日本レコード大賞にも勢いがつきそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)


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