飲み会から帰ろうとする同僚を無理に引き留めると…?

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 お酒の席が増えるこの時期。駅のホームで帰ろうとしている同僚の服を掴み、引き留めている光景を目にすることもあるだろう。だが、これが法に触れる可能性があることをご存知だろうか。
 相手が帰ろうとしているにも関わらず、衣服などを引っ張り電車に乗せないという行為は、暴行罪及び暴力行為等処罰法違反となるというのだ。また、酔った同僚を送っている途中、面倒になり路上などに同僚を放置し、その同僚が凍死や事故死した場合は保護責任者遺棄致死罪にあたる。
 「まさかそんなことで」という行為が意外な罪に問われるので、お酒の勢いというものには気をつけたいものだ。

 『量刑相場 法の番人たちの暗黙ルール』(森炎/著、幻冬舎/刊)は、そんな日常生活の中でありそうな行動がどんな量刑相場なのか。また、殺人をはじめとする重大な刑事事件の量刑はどのようになっているのかを教えてくれる“入門書”的な一冊だ。
 量刑とは、裁判官が当事者などの言い分や証拠を、刑法の定める範囲内で酌量して、判決を下すことである。そして、その量刑には“相場観”なるものが存在すると著者の森氏は指摘する。

 例えば、上司の机にイタズラでゴキブリを放り込むと、軽犯罪法違反により科料(1000円〜10000円未満の罰金)が科せられるという。また、善意の正当防衛などが5年以上の実刑になってしまったりもする。情状の差はあれ、量刑にはなんとも釈然としない“相場感”が形成されているようだ。

 著者の森氏は、裁判員制度も実施され始めた昨今、これまでの先例判例主義が重視された量刑の相場感に惑わされることのないためにも本書を読んでほしいと語る。
 罪を犯すのが人なら、裁くのもまた人。だからこそ、本書の内容は知っておいて損はないだろう。
(ライター/石橋遊)


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