世界初方式の「宇宙の地図」

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 普段から私たちは様々な地図を目にするが、「宇宙の地図」はあまり見たことがないのではないだろうか。このほど、一般向けに「宇宙の地図」が制作された。国立天文台台長の観山正見博士と国立天文台の小久保英一郎博士によるもの。
 「宇宙の地図」は、地球からの距離と方角を基にしている。これは、地球から「宇宙の果て」である10の27乗m(137億光年先)までを1枚に収めた、世界初方式のもので、国立天文台の関係者は「地球を中心として、『宇宙の果て』までが一度に見渡せる、この方式の地図は見たことがない」と言う。

 本作には、他にも面白い試みがある。
 1968年に世界的な家具デザイナーのチャールズ・イームズ夫妻が制作し、世界的に話題を呼びベストセラーとなった『Powers of Ten』という名作(映画と書籍)があるのだが、その作品は最初、どこかの公園に寝転がっているピクニック中の男性の姿を真上からとらえている映像から始まる。
 正方形に区切られた映像は、スタートが縦・横が10の0乗m(1m)、次は10の1乗m (10m)、10の2乗m (100m)、10の3乗m (1000m)……、とカメラが上空へ上がっていき、より広い範囲をとらえていく。そして、男性が小さくなり、点になり、都市全体になり、アメリカ全体になり、宇宙に飛び出していくというものだ。このようにしてその範囲を拡大していき、ついには10の25乗mという、当時の科学が考えた「宇宙の果て」ともいうべきところまで遠ざかる。

 朝日新聞出版から刊行されている『宇宙の地図』は、43年越しとなる『Powers of Ten』の現代版というべきもの。現代版では、地上から、10の27乗mという137億光年彼方の宇宙の誕生付近までを見渡すことができる。地球から遠ざかっていく美しい画像は、国立天文台の4D2U プロジェクトが観測画像やデータをもとに実現したものだ。
 また、同書に掲載されている天体の写真も圧巻。NASAや国立天文台が撮影した、息を飲むほどに美しい天体写真66枚が、1天体1頁のまるまる一つのサイズで紹介されている。ブックデザインは「大人たばこ養成講座」シリーズや東京メトロのマナーポスター「家でやろう。」シリーズの寄藤文平氏(文平銀座)が担当した。
 宇宙の美しさに魅了されること、間違いなしの一冊だ。
(新刊JP編集部)



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