深く、静かに進行する「IT中毒」とその代表的な4症状

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 今、オフィスでは一人一台パソコンが割り与えられるのが当たり前、そして移動中もタブレット型PCやスマートフォンで情報の受発信が可能になっています。いつでもどこでもインターネットに接続でき、メールもできるということで、ITは世の中を便利にしたといえます。しかしながら、今回ご紹介する『「IT断食」のすすめ』(遠藤功(早稲田大学ビジネススクール教授/株式会社ローランド・ベルガー会長)・山本孝昭(株式会社ドリーム・アーツ代表取締役社長)/著、日本経済新聞出版社/刊)によると、その陰で、自覚症状もなく過度にITへ依存してしまう「IT中毒」ともいえる人々が増えているといいます。
 では「IT中毒」とは一体どのような状態なのでしょうか。

■情報洪水)出社して、メールの処理をするだけで午前中が終わってしまう
 ITの発達によって、私たちは以前では考えられない量の情報と接するようになりましたが、その分情報を処理するのにも時間がかかるようになりました。そう、メールの処理だけで午前中が終わってしまうという人もいるくらいに。洪水化した情報に流されてしまい、新しいアイデアを出したり、新しい顧客の開拓をしたりという、人と人との対話や自分自身で考える時間を必要とする付加価値の高い仕事をする時間が減るのは問題です。
 実際、ITの浸透によって、新しいアイデアを考え出す創造力やフットワークは大幅に低下していると著者の山本氏はいいます。

■SNS依存)コメントが気になって仕事に集中できない
 離れている友達とコミュニケーションが取れ、趣味や嗜好を同じくする人々で成り立つコミュニティも見つかるSNSは現代人に欠かせないものになりつつあります。しかし、それだけにのめり込み過ぎることには注意が必要。自分が発信した情報に対してコメントがつかないからとソワソワし、仕事の合間にもSNSをチェックしてしまうようだと、あなたも「IT中毒」になっている恐れがあります。

■メール依存)コミュニケーションをメールに頼り切っている
 メールを使えばコミュニケーションが劇的に効率化・迅速化すると思われがちですが、これにも落とし穴があります。たとえば、その人に直接関係はないけれども、目を通しておいてほしい情報がある時に「CC」をつけてメールを送る場合がありますが、それをスタッフ全員が行うとメールボックスに入ってくるメールがCCだらけ、ということになりかねません。CCに入っているメールはどうしても当事者意識が薄くなり、一方で送った方は「読んでくれているだろう」と思いこんでしまうので、後々トラブルの原因にもなります。
 そういったことを避けるためにも、メールに頼り切るのはやめ、口頭での情報伝達と使い分けるようにした方がいいでしょう。

■インターネット依存)見栄え「だけ」はいいプレゼン資料
 パワーポイントをはじめ、プレゼン資料を作るのに適したソフトが発達し、誰でもキレイで見栄えのいい資料を作れるようになりました。しかし、プレゼンで大事なのは、あくまでもその内容です。
 見栄えだけ良くても、肝心のデータや結論はネットから引用したものばかりという状態では、その企業の創造力や生産性は大きく落ちてしまうことになります。

 ITは私たちの生活になくてはならないものになりましたが、弊害も顕在化しつつあります。『「IT断食」のすすめ』では、現在のIT偏重社会に警鐘を鳴らし、ITが組織や人にもたらした不利益や、ITとの上手な付き合い方をつづっています。
 本来、ITとは私たちの生活を豊かにするための技術だったはずです。今の生活を振り返ってみて、パソコンや携帯電話のせいで毎日が忙しくなっていると感じるようなら、一度それらと距離を置いて、ITとの付き合い方を考えてみることが必要かも知れません。
(新刊JP編集部)


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