ここで、あらためてGPS測定器を見てみよう。


今回石川さんが用意したGPS測定器は2台。港区はビルが多く、電波を上手く受信できないかもしれないという懸念から、最新式のものを今回のためにわざわざ新調されたというからありがたい。手前が最新式で、奥がこれまで石川さんが使っていた旧式のものだ。

石川さん曰く「最新式はロシア語もわかります。旧型は米国の衛星のみ受信できたのですが、この最新型はロシアなど様々な国の衛星に対応しているから、精度が違うんです」とのこと。


受信している衛星の数を比較すると、差が歴然とする。サークルの中に表示されているアイコンが衛星だ。写真右の最新型の衛星数が圧倒的に多い。というかこんなに衛星あったんだ。「軍事目的で各国が競争してくれると衛星の数がどんどん増えます。その結果、これだけの衛星を受信できるため、ビルの谷間でも計測できます」と石川さん。

当初この企画を石川さんに相談した際、「港区はビルが多く、リスクが高い」と懸念されていたが、各国の軍事的な緊張感を利用すればこのミッションは完遂できると読み、依頼を受けて頂いたのだ。GPS界のゴルゴ13とでも呼ぶべきスケール感とプロ意識である。ちなみに石川さんの本職は造園設計で、GPSは趣味である。


さっそく歩き始める。


衛星からの電波を切断されかねないトンネルを前に、メンバーに緊張感が走る。
ライフネット生命も営業開始時はサイトへのアクセスが集まらずに苦労した時期があると聞く。暗いトンネルを前にする我々と同じように恐怖を覚える時もあったのだろう(多分)。


トンネルを走り抜けた!石川さんの「大丈夫?」という声に「切れていません!衛星生きています!」と答える鈴木。危機一髪を逃れたことの安堵と共に、結束が強まるメンバー。ライフネット生命も様々な試練があったからこそ、社員の結束が高いのだろう(こちらも多分)。


さらに行き止まりの試練が襲いかかる!「地図では行けそうでも、実際には行けない所がある。事件は常に現場で起こっているんです」と石川さん。今回のプロジェクトは頓挫するのか!?


行き止まりの手前に、地下に降りる階段を発見!


間一髪、抜け道に救われた。まさにGPSは試行錯誤のアドベンチャーであり、それは生命保険業界の中で戦後初の独立系ベンチャーであるライフネット生命の道のりを思い起こさせる(こちらも多分)。


歩き続けて6時間で、まもなくロゴが完成! 太い道路があるエリアはタクシーで移動したが、ほとんどの時間は歩いていたため、疲労感が半端ない。