ダルビッシュの交渉権を獲得したのはテキサス・レンジャーズだった。FOXSPORTSによれば落札額は5170万ドルで松坂大輔の5110万ドルを抜いているとしている。米マスコミにダルビッシュと比較され失敗例としてあげられる続ける松坂も本人としてみれば不本意だろうが、そこは結果が全ての世界。ダルビッシュも失敗すればどう言われるかはわからない。そこがプロの厳しさ。

 だが現時点では期待値としてではあるがダルビッシュ有の評価はアメリカで非常に高い。そんなダルビッシュをライバル球団のファンたちはどう見ているのか? 同じ西地区のライバル、ロサンゼルス・エンジェルズの応援ブログから記事を拾ってみた。

 エンジェルズの応援ブログ「Halos Heaven」はまず落札額について、現在の円高のため実際は円に換算すると松坂がまだ1位であると皮肉ることから始まっている。このあたりさすがライバルチームのブログだが、ダルビッシュの分析についてはライバルのレンジャーズ・ブログ(こちらも心から嫌いな……という形容がついてはいるが……)からスカウティングリポートを引用して次のようにあげている。

 「ダルビッシュはツーシーム、フォーシーム、カットファストボール、カーブ、スライダー、チェンジアップを投げ、三振を多く取れるグッドピッチャー」。6年9000万ドルという契約が見込まれ、彼がレンジャーズに加入すれば西地区は間違いなくタフな地区になると分析し、すでにレンジャーズのローテーションの筆頭にダルビッシュの名前を挙げて危機感を募らせている。

 多くのファンのコメントがこの記事には寄せられているが、ダルビッシュは偽物だとか、日本に戻るに決まっている、エンジェルズ打線が彼を打ちまくるという俗っぽいものの中に、素直にダルビッシュとエンジェルズ打線との対決を楽しみにしているというものもかなり書き込まれている。ダルビッシュのピッチングを実際に見てみたいというファン心理からのこういう言葉を読むと、日本で彼の素晴らしいピッチングを目の当たりにしている側からすれば非常に誇らしくもあり、また活躍を期待せずにはいられない気持ちにさせられてしまう。

 最後に「ダルビッシュをレンジャーズが落札したことはエンジェルズにとってはいいニュースなのか悪いニュースなのか?」という問いに対しては、60%あまりのファンが「テキサスはエースを獲得してしまった」としてバッド・ニュースを選択している。

 これから30日間の交渉期間が設けられレンジャーズとダルビッシュ側との交渉が始める。はたしてダルビッシュはサインをするのか? メジャーでの勇姿は見られるのだろうか?(編集担当:田村和彦)