1年生時からチームを支えてきた二人の男の最終章が幕を開ける。田中奏一(4年/岡山入団内定)と黄大城(4年/京都入団内定)はただ勝利だけを目指して、4年間サイドラインを走り続けてきた。チームの大きな目標であったインカレ出場を果たした今シーズン。しかし、二人がここで立ち止まることはない。日本一というゴールを目指してー。彼らは全国の舞台でも、ピッチを駆けまわり、勝利をつかむに違いない。


今季を振り返ってどうでしたか?

黄――自分たちが4年という立場で最後の大学サッカーになって、監督も代わり、チームも変わるのかなと思っていて。実際変わったところもあったんですけど、でも自分たち中心でやれて、3位というインカレ圏内に最終的にいけたので、やってきたことは間違ってないかな、と思います。

昨年のチームと異なる点は?

黄――とことんパスにこだわること。練習内容もそうですし、ゲームの始め方もとりあえずパスから、というように始動からずっとパスをやってきました。長短パスを取り混ぜながら相手を崩していく中で、2列目や3列目、サイドバックが抜けだして、そういう基本的なベースはかわらないですね。
田中――今まで3年間もパスサッカーを目指してきたんですけど、今年は練習のほとんどをパスにあてたりしてきたことが、ある程度成果につながったと思います。終盤は2部の時代を含めて、インカレを逃した2年前の悔しい経験がすごく生きたんじゃないかなと思います。

インカレ出場につながったポイントは?

黄――ゲーム内容は難しいんですけど、リーグ戦を含めて連敗せずにしっかりと勝ち点を取れたというのは良かったと思います。上位との対決でもしっかりと勝点を取れたというのは今季のポイントかなと思います。

リーグ戦で苦しかった時期は?

黄――後期の始めのほうですかね。前期に活躍していた武藤(経1)が怪我してしまって、その他にもけがや累積で抜ける選手が多い時期があったんですけど、その中でも同じようなサッカーができて、勝ち点を取れたのは良かったです。

今のチームの強みは?

田中――失点のダメージというのが少なくなったというか、失点してもこれから取り返せばいいやという気持ちを11人全員が持てるようになったことです。逆転勝ちとかもすごく多いし、精神的に試合巧者になれたというのはいいところかなと思います。

お互いの長所は?

黄――自分は1年の途中から試合に使われるようになったんですけど、奏一は1年の始めのときから試合に出ていて、いつも逆サイドには奏一がいましたし、お互い成長できたと思います。その中でも特に目を見張るのは対人の強さですね。いい形で一対一に持ち込んで、時には思い切って中に入っていったりしますし、守備の時には逆サイドのマークも奏一がいるから大丈夫だと思いますし、それぐらい信頼しています。
田中――チームの雰囲気をよくしてくれるというのは本当にいいことだなと思ってます。あとはこの身長なのに長い距離をすさまじいスピードで走れるのはすごいと思うし、左足の精度も高くて、フリーキックとかクロスから得点に繋がっているのですごいなと思います。

サイドバックとしての自身の個性は?

黄――さっき奏一もいったんですけど、身長があるのにサイドバックをやっているというのがまず個性だと思います。大きい選手というのはヘディングが強いというイメージなんですけど、自分はそれだけではなく走ることに生き甲斐を感じています。
田中――とにかくサイドの一対一に負けないことを意識しています。あとは本当に攻撃が大好きなので、どこからでもゴールを狙っています。

4年間で成長した点は?

黄――全てですね。自分は高校時代にはサッカーに対する姿勢ができていなかったので。もちろんフィジカルだったりスピードも含めて全ての面で成長できたと感じています。
田中――サッカーの面でいうと、色々な状況での自分のプレーを考えるようになりましたね。高校まではそこまで考えることはなかったんですけど、慶應は毎試合ビデオを撮ってくれるので、それをチェックしてどこがいいとか悪いということを考えるようになりました。

黄選手から見た田中の成長した点は?

黄――攻撃は元々うまかったんですけど、守備の面で、同サイドの裏を狙ってくるときのケアとかがうまくなっているなと思います。自分なんかは裏をケアしすぎて足元に入ったときの対応が遅れてしまうことが結構あるんですけど、奏一はしっかりとポジションを取れるようになっているなと思います。


(C)Masaaki KATO

「一戦一戦に全てを尽くす」(田中)
「慶應のサッカー部を全国にアピールできるようにやっていきたい」()


インカレに向けての今の心境は?

黄――自分はプレッシャーとかはいい意味でなくて、今年は総理大臣杯で全国に出られなかったので、この1年の集大成としてインカレに出られるというのは本当に楽しみです。自分達のサッカーがどれだけ通用するのかというのを試すと同時に慶應のサッカー部を全国にアピールできるようにやっていきたいと思います。

田中――スポーツ推薦のない慶應というチームがインカレで結果を残すことというのはある意味、大学サッカーに影響を与えられると思います。組織の力というか、学生が本来目指すべきサッカーというのは、今の大学サッカーとは離れているということをみんなとも話していて、そういった意味で僕たちが結果を残すことで何か変えられることがあるんじゃないかと思います。

サッカー人生の中での全国大会の経験は?

黄――小学校の時はないですね。中学の時に1回、高校の時も1回だけ出て、そんなに自分はエリートと呼ばれるようなキャリアを積んできたわけではないので、楽しみです。
田中――ユースだったので、一応全国には毎年出ていました。高校2年の時はクラブユースで3位になって、最後Jリーグユースで優勝したのがいい思い出です。高校時代を振り返ると苦しかったことが多いんですけど、最後優勝できましたし、試合にも出られたのでいい思い出ですね。

全国で戦うにあたり、慶大の武器となるのは?

黄――組織力ですかね。安牌ですけど。あとは、1年生から自分達の代が試合に結構出ていて、いろんなところで経験している人間が多いことですね。それと勢いのあるいい若手がいるので、それがしっかりと融合してまとまって、それに組織力という下からの底上げであったり、支えてくれる人たちの力があることですね。

苦戦が予想されますが?
黄――特に1回戦の福大は特にプロにも勝っているし、個でも実績のある選手が名を連ねているので、試合全体としては苦戦するとは思いますけど、まずは一人ひとりが相手に負けないということが大事だと思います。

日本一への自信は?

田中――自信というより一戦一戦に全てを尽くすことしか考えてないです。

黄にとっては地元での初戦ですね。

黄――何回かやったことはあるんですけど、よく覚えてないです。でも地元が近いので楽しみたいと思います。

インカレに向けた意気込みをどうぞ。

黄――監督が替わって新しい慶應の第一歩としてこのインカレに出られることは個人としてもチームとしても評価できると思います。ただ出ることだけで満足してはいけないと思いますし、慶應サッカーを全国に広めるためにも、また4年間慶應でやってきたことに対する恩返しとしても、ひとつでも多く勝って最終的には全国優勝出来たらいいなと思います。
田中――慶應の強みは組織力で、試合に出る僕らよりも強くチームのことを考えてくれる部員がたくさんいるというのは慶應だけだと思うので、それを最大限生かして、初戦を絶対にものにしたいと思っています。

◆田中奏一(たなかそういち)
FC東京U−18出身。サイドでの一対一に絶対的な自信を持つサイドバック。スピードに乗った攻撃参加は、慶應大の貴重な攻撃オプションの一つ。岡山入団内定。

黄大城(ふぁんてそん)
桐生第一高校出身。豊富な運動量で上下動を繰り返し、左足から正確なクロスを放つ左サイドバック。186センチの長身とフィジカルを生かした守備も持ち味。京都入団内定。

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