孫正義に学ぶ、人を魅了するプレゼンのコツ

写真拡大

 先日死去した米アップルの元CEO・スティーブ・ジョブズは卓越した発想力で斬新な製品を開発したことはもちろん、プレゼンテーションの名手としても知られていました。
 プレゼンテーションとは、単なる意見発表やPRの一手法にあらず、やり方によっては美しい形式をもった劇にもなりうるということを見せてくれたのがジョブズでした。
 しかし、プレゼンの名手はジョブズだけではありません、ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏も、聴衆を引きつけてやまないプレゼンテーションの名手だといわれています。
 『孫正義 奇跡のプレゼン 人を動かす23の法則』(三木雄信/著、ソフトバンク クリエイティブ/刊)には、孫氏のプレゼンの粋が収められていますが、今回はその中からプレゼンテーションの効果を劇的に高める方法を紹介します。

■言葉以外のコミュニケーション力を磨く
 プレゼンの基本は、聴き手の前で自分の言葉を使って情報発信をすることですが、だからといって言葉の力だけではインパクトのあるプレゼンはできません。
 日本では、あらかじめ用意したメモを読みながらプレゼンを行うことが多いですが、メモを見ることによって聴衆とアイコンタクトする機会が減りますし、何より発言者自身がプレゼンの内容を十分に理解していない印象を与えてしまいます。
 メモを用いないことで、アイコンタクトができ、ジェスチャーも大きく使え、またステージ上で自由に歩き回ることもできます。つまり、言葉以外の表現が可能になるのです。

■熱意だけでなく、ユーモアも
 孫氏のプレゼンのエピソードにはこんなものがあります。
 2007年11月22日、総務省は高速データ通信で活用されている2.5GHz帯の無線通信免許をどの企業に与えるか、ということについて、免許の申請した企業を集めた会議を行いました。この会議には孫氏の他にもウィルコムやNTT系のアッカ・ワイヤレスなどの社長が参加し、それぞれが自社のサービスや免許申請のプレゼンテーションを行いました。各社はそれぞれ自社の優位性をアピールしたのですが、孫氏はその席で、「誰が、日本のブロードバンドを世界一安く速くしたのか?誰がこの分野で『毛が抜ける』ほど頑張ったのか?」と言ったのです。
 仮に「ソフトバンクが、日本のブロードバンドを世界一低価格で高速にしたのです。他社はそのような実績はありません」と言ったとしたら、おそらく聴衆の反感を買ってしまっていたはずです。孫氏は同じ主張をするにも、自分の髪をネタにしたジョークに包むことで聴衆に受け入れやすくしたのです。

■質問を恐れない
 プレゼンテーションには質疑応答がつきものですが、難しい質問が来たらどうしよう、と戦々恐々としている人は多いものです。
 しかし、質疑応答は双方向のコミュニケーションであるため、自分の話したことが誤解されずに伝わっているかを確認するためには最適だといえます。そして、繰り返される質疑応答を聞くことによって他の聴衆のプレゼンの理解度も高まっていくため、ぜひとも質疑応答の時間は長く取ってみてほしいものです。
 もちろん、プレゼンを行う人は全ての聴衆の質問を受けて立つわけですから、プレゼンの内容を徹底的に理解しておかなければなりませんが、きちんと受け答えができれば、聴衆からの信頼感は飛躍的に高まるはずです。

 本書にはプレゼンの効果を左右する準備の段階から、ステージ上での振る舞い、数字の使い方などの細かい部分まで、孫氏のプレゼン術が網羅されています。
 仕事をするのに多くの人が一度は経験するプレゼン。聴く者の心を掴み、感動させるプレゼンを目指すなら、孫氏のやり方は参考になる部分が多いはずです。
(新刊JP編集部/山田洋介)


【関連記事】 元記事はこちら
高年収のビジネスパーソンに5つの共通点
人事担当者が不採用者を見極めるための4つのポイント
“ゆとり世代”の正しい叱り方とは?
「運」と「ツキ」を味方につける方法