「精神薬の量を減らしたいけど、症状が悪化するのが怖くて、薬を止められない」などと悩む人たちの話をよく聞く。

 薬を飲んで、1日中寝ている。若いのに、ぼんやりしてしまう――茨城県牛久市にある「牛久東洋医学クリニック」の内海聡医師の元にも、そんな引きこもり状態にある人たちが、「薬の量を減らしたい」「漢方に切り替えたい」などと訴えて、全国から数多く訪れる。

 内海医師の専門は、内科医。一方で、心療内科や神経科の診療に力を入れ、漢方や鍼灸の併用、多剤処方の減量などに取り組んできた。

 とはいえ、一般的に行われている認知療法とは違うようだ。

 内海医師はまず、精神薬に依存しないよう、本人たちが信じ込んでいる社会や国の「洗脳」を解いていくことから始める。それらの「洗脳」が原因で病気になっていることが多いからだという。

 その後の社会復帰については、支援団体やNPOなどを活用してもらう。精神科に頼らないで、社会的システムに乗っていくようにしたほうが、社会復帰していける人は確実に増えるというのが、内海医師の考え方である。

「精神安定剤を飲めば、ある程度不安を麻痺させることはできる。しかし、薬に依存してしまうため、本質的な問題を先送りする形にしてしまい、永久に治らなくなるんです」

 むしろ、薬を抜いていけば、症状が良くなる人たちは多いと、内海医師は指摘する。

「とくに、多剤療法の人たちは、それらを抜いていけば、少なくとも体調は元気になります。まず医学的にダメな状態を取り去って、とりあえず社会的に引きこもっている状況だけにしないと、次に進めない。精神科に通って薬を飲んでから悪くなっている人は、ほぼ医原病なんです」

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