今年6月、電子書籍関連事業を手掛けるブックリスタは、「デジタル化は本を扱う手段のひとつにすぎず、本を本当に大切にしたい」(同社メディアプロデューサーの野村秀樹さん)という想いを表現するため、ブックディレクターの幅允孝さん(BACH)とブックコーディネーターの内沼晋太郎さん(numabooks)に社内の本棚の作成を依頼。「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」や、東急ハンズ銀座店「HANDS BOOKS」などの本棚のコーディネートを手掛けた幅さんと、「disk union book jazzTOKYO」や「book union」を手掛けた内沼さんが「人と本との出逢い」をテーマに約500冊の本を選びました。

 半年が経過した12月8日、ブックリスタの「弊社と同様に、本棚も進化させ続けたい」という気持ちから、二人は新たに「雑誌」約100冊を補充。創刊号や記念号、その時代を象徴する表紙の雑誌などを、マンガ、サブカル、ファッション、プロレス、建築など幅広くセレクトして本棚に並べました。

 オフィスの壁一面にディスプレイされた本棚を眺めると、ファッション誌『メンズ・クラブ』は今と違い、表紙に文字がほとんどなく洗練されたデザインだったり、インタビューを中心とした月刊カルチャー誌『スタジオ・ボイス』では、表紙の若き日の村上龍が「ホリエモンにそっくり」(内沼さん)という発見があったり。

 また、『少年マガジン』、『少年サンデー』など少年漫画誌の上(ハシゴを使わないと手が届かないところ)に、大人のグラビア誌を並べるなどの遊び心も見て取れます。

 ほかにも、表紙ではなくSONYのラジオの広告ページがディスプレイされたり、故スティーブ・ジョブズがスピーチで引用したことでも有名な「stay hungry,stay foolish」の文字が裏表紙に記載された洋書『Whole Earth Epilog』の最終号など、本好きによる本好きのための本棚となりました。

 「補充にあたり、全く違う雑誌であっても、表紙を手掛けたグラフィックデザイナーが同じだから隣に並べるなどの工夫をしました。あえて時代もジャンルもバラバラに幅広く揃え、見る人の視線が散るようにしてあります」(内沼さん)。

 「当時、サブカルチャー誌だった『宝島』は、ある号から急に小さいサイズに変わりました。これは雑誌を『持ち歩く』ことがトレンドになったことを示していると思うのですが、この本棚から、そうした時代背景を読み取る楽しみも見出していただければ」(幅さんに代わり補充を担当したBACHの山口博之さん)。

 まるで「世界のアルバム」を見ているかのような雑誌の本棚。当時の雑誌から学んだり、インスピレーションを受けたりして、古いものから新しいアイデアが生まれる本棚になりそうです。







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