あなたの知らないデンリョクの世界(その1)

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 あなたは街歩き中にこのようなものを見たことがあるでしょうか。
 これは旧町名さがし業界において「デンリョク」と呼ばれているものです。漢字では電 力、逆から読むとクョリンデです。電力会社の残したこのどら焼き型のニクい奴が、今若 者の間で旧町名さがしに欠かせないものとなっています。

 旧町名さがしでの二大巨頭といえば、表札と行政が設置した住居表示板ですね。これら を見つけることがすなわち旧町名さがしですが、現行の住所との兼ね合いもあるため、そ れらは必ずしも残っているとは限りません。そんなときに「デンリョク」なのです。 旧町名の二大巨頭が見つからない地域では、なぜかこのデンリョクが生存しています。 それも高い確率で。そのため、我々は本来の旧町名さがしが達成できなかった場合の補完 として、このデンリョクをさがすことにしています。初めの頃はあくまで旧町名の二大巨 頭が見つからない場合の妥協としてさがすものであると位置づけていたため重要視してい ませんでした。それがあまりにも発見する頻度が高まっている状況を鑑みた結果、われわ れ旧町名を探す会としても看過する訳には行かなくなってきましたので、この度このデン リョクを旧町名さがしの第三勢力であると認定することにしました。表札と行政表示板の 二大巨頭が馬場と猪木、全日本プロレスと新日本プロレスとするならば、デンリョクは言 わば吉原功率いる国際プロレスであると言えましょう。まさに今ここに旧町名さがし戦国 時代の到来であります。
 
 ではこのデンリョクをさがし、観察する上で特に注目すべき点は何でしょうか?それが
「カタカナ」「謎の漢字」そして「省略」の3点です。これらについて今回から数回に分
けて解説いたします。

[ポイント1]デンリョクとはカタカナである。


街中でデンリョクを見かけてまず目につくのが「カタカナ」ではないでしょうか。デン リョクさがしは旧町名さがしの副産物であるので、もちろん旧町名ありきです。その旧町 名が何故かカタカナで表記されている点がデンリョクの大きな特徴です。 どのデンリョ クも例外なく旧町名がカタカナになってます。例えば上の写真の本来の旧町名表示はこの ようになっています。ちょっと比較してみてください。


いかがでしょうか。普段慣れ親しんでいる旧町名とはまた違った趣を感じることができ るでしょう。デンリョクさがしは、最近旧町名さがしにマンネリを感じるあなたに最適で す。


このように


どのデンリョクも


やっぱりカタカナですね。


カタカナ・・?

 おそらく当時は漢字の印字技術が無かったのでしょうね。
などと一瞬考えましたが、デンリョクの次のポイントでその仮説はいとも簡単に覆され
てしまいます。それが「謎の漢字」です。
今回の写真からもわかりますが、どのデンリョクにも何か下の方に漢字っぽいのがあり
ますよね。これは何でしょうか。次回はデンリョクの「謎の漢字」に迫ります。

[今回紹介した旧町名(消滅年/現町名)]

・台東区竹町( 1963(昭和38)年/台東区台東)
・杉並区東田町( 1969(昭和44)年/杉並区成田東)
・中央区小田原町( 1966(昭和41)年/中央区築地)
・大田区道塚町( 1967(昭和42)年/大田区新蒲田)
・文京区指ヶ谷(1966(昭和41)年/文京区白山)
・台東区永住町(1964(昭和39)年/台東区元浅草、東上野)
・中央区日本橋人形町(※現存町名)





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