12月1日から、大学生に対する企業説明会がスタートした。経団連の措置による、例年よりも約2ヵ月遅い就職活動(就活)の開始だ。就活の早期化によって、学生が学業に取り組む機会を奪われ、大学が就職予備校化したといわれる。また、海外留学が就職に不利となり、学生の「内向き志向化」の一因とされる。経団連の措置によって、これらの問題に一定の歯止めがかかったことは一歩前進だろう。今後は、就活のあり方全体について本格的な議論を進めていくべきだ。

 だが、就活のあり方の議論を進めるには、まず財界が、場当たり的に就活の開始時期を早めたり、遅めたりを繰り返したことを謝罪することから始めるべきだ。

 筆者が大学生だった時、「就職協定」が存在した。これは、企業側と学校側が自主的に結んでいた、学生の就職に関する協定だ。しかし、協定を破って抜け駆けで優秀な学生を採用する企業が続出した。筆者が就活した時は、大学4年の7月20日の「解禁日」まで学生と企業の接触が禁止されていたが、4〜5月頃から実質的に就活が始まっていた。ただ、協定が存在した間は、まだ企業の行動には一定の節度があった。

 1996年に、既に有名無実化していた「就職協定」が廃止された。それ以降、年々就活は早期化、長期化し、現在では大学3年生の秋から就活が始まるようになった。企業は、優秀な人材確保のために狂奔した。就活の早期化だけでなく、選考方法も複雑化させたのだ。複数回の面接という伝統的な選考方法に加えて、エントリーシートの提出を求める企業が増えた。

 エントリーシートは、住所、氏名、志望動機などの基本情報に加えて、小論文や質問に答えることを要求した。中には絵を描かせるものもあり、その作成に学生は膨大な時間を費やすことになった。また、SPIなどの基礎的な学力検査、適性診断やグループディスカッション、グループワークなど、さまざまな方法で学生の能力を確認しようとした。大学3年の夏頃に、インターンシップを事実上の企業説明会として行う企業も多くなった。

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