鳩山元首相に「オバマ大統領からの手紙」が届いたそうだが…。

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民主党の鳩山由紀夫元首相の「辺野古以外」発言に対し、「お前が言うな」とばかりにインターネット上などで大合唱が起きている。

首相時代の鳩山氏の「沖縄県外移設」発言で大きく迷走した米軍普天間飛行場移設問題に関して、鳩山氏はここに来てまたもや「辺野古以外」を主張したのだ。

「この言動だけは許せない」

鳩山発言に対しては、ネットの一般利用者のみならず、テレビ・コメンテーター、政界、元外交官らからも強い反発が起きている。辺野古移設の是非はともかく、「鳩山元首相には語る資格なし」ということのようだ。

鳩山元首相は2011年12月5日に東京都内で行った講演で、「辺野古以外の所があるかどうか。私はないとは思っていない」「官邸で主導して探す努力を続けるべきだ」と述べた。

鳩山発言に対し、「政治家として万死に値する」と語気を強めたのは、翌6日朝放送の情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS系)に出演した杉尾秀哉・TBS解説委員室長だ。

「(鳩山氏が首相のとき)沖縄の人をどれだけ傷付けたか、どこまで理解しているんでしょうか」と首をひねった。

陸上自衛隊出身の佐藤正久参院議員(自民)は、6日のツイッターで、「鳩山氏がそれを言うか!と沖縄の方は怒ると思う」と指摘、議員自身も「朝から怒りが」と腹を立てている。

これまでは鳩山氏について「憎めないところがある」と思っていたという元外務官僚の天木直人氏も「この言動だけは許せない」と憤っている。駐レバノン大使も務めた天木氏は、6日のブログで「どうしようもない政治家」と断じた。

仮に鳩山氏が首相当時、「退陣はするが『県外、国外移転』の自身の考えは貫く」と訴えて辞めていれば、辺野古移転の見直し検討はその後も続いた可能性があった。しかし、鳩山氏は「『日米合意を守る』と言って辞めたのだ」。何を今さら、というわけだ。

藤村官房長官も困惑気味

ネットの2ちゃんねるやツイッターをみると、「どの面下げて言ってんだろな」「日本中の『お前が言うな』が聞こえる」「『お前が言うな大賞』決定」などと、怒ったりあきれたりしているコメントが相次いでいる。

鳩山氏は、2009年の「政権交代衆院選」の直前、自民党を皮肉るように「首相まできわめた人がその後、影響力を行使することが政治の混乱を招いている」と批判し、自分はそうはならないと訴えた。

そして10年6月の首相退陣の際にも「総理たるもの、その影響力をその後行使しては、行使し過ぎてはいけない」「従って私は次の総選挙には出馬は致しません」とテレビカメラの前で力強く語った。

しかし、その後軌道修正を続け、同年12月には「(次期選挙での)政界引退」を撤回し、批判を浴びた。

今回の鳩山発言に関する質問を受け、藤村修官房長官は12月6日の参院外交防衛委員会で、「どういうことか真意を聞きたい」と答弁した。「さまざまに模索し、既に探し尽くした」との見解も示し、困惑ぶりを露わにした。

まさに鳩山氏のかつての発言通り、首相経験者の発言が「政治の混乱を招いている」典型例のようだ。

もっとも、辺野古への移設について、「米国側も実は、辺野古は困難とみてグアム移転への変更を模索している」などの指摘が出ているのも事実だ。民主党の川内博史衆院議員は6日のツイッターで、同様の指摘を行い、鳩山発言を擁護している。

しかし、「辺野古以外」の模索については、「鳩山氏抜き」で議論した方が実りがありそうな情勢だ。