大相撲九州場所9日目(11月21日)の夕方、元横綱・朝青龍ことドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(31)が会場の福岡国際センターを訪れ、館内を歩き回った挙げ句、関係者以外立ち入りが禁止されている支度部屋に入っていった。モンゴルの後輩力士である大関・日馬富士を激励するなど、傍若無人な行動を見せたのである。

八百長事件以来、支度部屋は協会の監察委員が監視し、出入りを厳しくチェックしてきた。ところが朝青龍はお構いなし。岩友監察委員(元前頭・栃勇)も制止できず、逆に同委員が協会から注意を受けるお粗末ぶりだった。

朝青龍は観戦中もやりたい放題。向正面の前列マス席に腰を据えると、ビールを飲みながら観戦。館内から「朝青龍〜!」という声がかかると、手を振って応えるなど、まるで英雄気取りだった。

一観客として大人しくしていれば別だろうが、支度部屋への侵入など言語道断。これを知った放駒理事長は、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべたという。

「他の理事たちと“やっぱり最近の外国人力士を偉くすると調子に乗ってダメだ。騒ぎばかり起こす”と愚痴をこぼしていたようです」(スポーツ紙記者)

それに加え、30日には朝青龍関連の詐欺事件で2人の逮捕者が出た。この件では朝青龍は被害者であり、しかももはや相撲協会とは何の関係もない人物ではあるが、闖入事件であれだけ目立った後では、世間はどうしても相撲と関連づけて考える。

「相撲界が一丸となって人気回復に向かっているのに、迷惑千万だよ」

そうした外国人力士への嫌悪感が、3場所32勝という平凡な成績だった稀勢の里の大関昇進を後押ししたというのである。

「客の不入りまでは解消できなかったが、琴奨菊が大関になっただけで世間は盛り上がった。やはり日本人横綱が必要だという話になるのは当然だ。その任を稀勢の里に託そうということ」(協会関係者)

角界には確実に、「外国人排除」の動きが出始めている。

「来年1月には協会の理事選がある。若手親方衆は年寄株問題など、自分たちの将来について不安を持ち、なんとか相撲の汚名返上の機会を狙っている。そんな中、忘れかけていた朝青龍の顔を見て、みんな苦い思い出が蘇ってきた。元凶は外国人だといわんばかりに、外国人力士を締め出す動きが出てきているのです」(前出のジャーナリスト)

※週刊ポスト2011年12月16日号